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28.思い悩んで吐き出して ページ28

目を鋭く光らせてつらつらと言っていたギルベルト君はやっと落ち着いたらしいけれど、目線はやっぱり敷石の方に向いていた。けれども私は、ギルベルト君の言っていたヒトの話が頭から離れなかった。ヒトの行動が、習性がどれも私の心に響いたからかもしれない。

これじゃあうかつに慰めるなんてことも、更に出来なくなってしまった。それどころか、そんなヒトがこの学園にいて良いのかさえ思ってしまう。クニの人達は皆、自分の歩むべき道を分かっていて真っ直ぐそれに進んでいる。だがそれに比べて、ヒトはどうだろう。最後まで自分の生きている意味、目標まで分からずにただ曖昧に進んでいるだけじゃないか。

そう考えると自分の存在の小ささが身にしみて分かるような気がした。どれもギルベルト君の出会って来たヒトに当てはまっていて、私と何らも変わらない。そんな私がこの学園にいても、みんなを傷つけるだけじゃないのか。そう思うと不覚にも、目尻が熱くなってきた。

自分から無理言ってこの学園に入れさせてもらったのに。皆と違う人種だから、という期待を込めたような目線。生徒会のアーサー君や大好きな菊さん。なかなか息が合わないロヴィーノ君に、生きている世界が違うと見せつけられるような妙な孤独感。そんな思いが走馬灯のように溢れてきて、今まで我慢していた事が爆発した。

「……おい、なんでお前が泣いてんだよ。同情なんか要らねえからな」
「絶対そう言うと思った。でもギルベルト君の話聞いてたら私も、やっぱりクニじゃなくてヒトなんだな、って…何言ってるんだろ私」

いつもはこんな弱音、絶対言えない。だけどギルベルト君だったら、同じような体験をして悩んだギルベルト君だったなら素直になれるかもしれない。わんわん大声で泣いていると、いつの間にか彼ももらい泣きしたのか涙を零していた。

二人揃って校庭で泣いている姿は、あまりにも可笑しかったのかもしれない。周りから変な視線を向けられていた。
だが気にせず、ずっとずっと泣いていた。やがて、10分くらい経った頃だろうか。何事も無かったかのように私も彼も落ち着いたが、私達には謎の爽快感で溢れていた。

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くるりん(?・ω・)(プロフ) - 薺さん» 貴重なご意見、ありがとうございます…!まず人種が違いますから、合併なんかも出来ないですし本当に愛し合っていないと結ばれないんじゃないかな、と考えると止まらなくて!拙い文章ですが、頑張らせて頂きます! (2017年3月31日 12時) (レス) id: 405f58ad2d (このIDを非表示/違反報告)
- はじめまして!最後まで一気読みしちゃいました!ヒトとクニの切ない描写がなんかたまりません…!更新頑張ってください! (2017年3月29日 20時) (レス) id: 8d03f80a9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くるりん(✿・ω・) | 作成日時:2017年3月12日 0時

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