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21.放送室のいたずら事件 ページ21

ロヴィーノ君との誤解も解け、完全に気が緩んでいた。だがその事件は唐突に起こった。

まだ日が昇ってから、あまり時間が経っていない朝。菊さんに急かされ学校に着くも、早い時間だから教室にいる人もまだ少ない。授業が始まっていないせいか、朝のこの時間はいつも気が緩む。今日はいつも以上に緩んでいたせいか、余計驚く羽目になる事も知らずに。四月のぽかぽか陽気に包まれ、まぶたが重くなってきた頃に事件は起こった。

朝会の時に良くある、マイクのキーンという嫌な音がしたかと思うと教室中に大声が響き渡った。正直マイクのこの音は、爪で黒板を引っ掻くあの音の次に嫌いだ。そして朝っぱらから壁に反響するほどの大きな声。きっと放送を使っているのだろう。

「俺様だぜ!今日は朝の放送室に忍び込んでみたわけだが、相変わらずかっこいい俺様!いたずら楽しすぎるぜー!」

何なんだあのテンションの高さは。隣にいた放送委員の湾ちゃんが慌てて放送室に行こうと席を立った途端、放送から思いっきりドアが開けられた音が響いた。そして一瞬の間に鳴り響く鈍器の音。私と湾ちゃんは何が起こったのか分からず、ただ目をぱちくりさせていた。

「今の声は隣のクラスのギルベルト君だヨ。よくこんな馬鹿な事するって、エリーが言ってたネ」

エリーとはまたまた隣のクラスのエリザベータちゃんの事だ。私達はいつもそう呼んでいる。そうとしたらあの鈍器の音は間違いなくエリーの所為だろう。ギルベルト君には会った事がないけれど、あの二人は幼なじみだったらしいし。

「ギルベルト君かあ…。何かうるさそうな人だね。関わらないようにしよう」
「そう上手くいくかな……」
「どういう事?」

そう聞き返すと、湾ちゃんは慌てて声に出てた?と言い口を塞いだ。その後、その言葉は私の空耳って事で片付けられちゃったけど、未だに分からない。

この学園はギルベルト君と関わらないようにしよう、と思っている人ほど関わらなければいけない事態が起こるというジンクスでもあるのかな…?そんなジンクスなんて、あったら御免だ。

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くるりん(?・ω・)(プロフ) - 薺さん» 貴重なご意見、ありがとうございます…!まず人種が違いますから、合併なんかも出来ないですし本当に愛し合っていないと結ばれないんじゃないかな、と考えると止まらなくて!拙い文章ですが、頑張らせて頂きます! (2017年3月31日 12時) (レス) id: 405f58ad2d (このIDを非表示/違反報告)
- はじめまして!最後まで一気読みしちゃいました!ヒトとクニの切ない描写がなんかたまりません…!更新頑張ってください! (2017年3月29日 20時) (レス) id: 8d03f80a9c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くるりん(✿・ω・) | 作成日時:2017年3月12日 0時

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