17.興味本位での勧誘は迷惑に値します ページ17
「そもそも、何で私がアーサー君率いる生徒会なんかに…」
ずっと頭の中でぐるぐると渦を巻いていた疑問を吐き出した。何か深い理由でもあるのだろうか。深刻な人手不足とか…?いやいや、だとしても私以外の人を誘うだろうし。生徒会に入りたいと思っている人は沢山いるだろうし。そんな事を考えていたら彼の口から爆弾発言が飛び出した。
「だって、W学園の生徒会がクニじゃないだなんて、面白いだろ?」
「……は?」
え、待ってください。少し時間をください。今、理解し難い言葉が聞こえたような気がしましたけど…。空耳であって欲しい。もし空耳ではなかったとしたら、私はこう叫ぶだろう。
大丈夫かこの学園!!、と。
いくら何でも無責任過ぎる。この人、本当に生徒会長なのかと疑いたくなる程に。興味本位で人を生徒会に誘うなんて…。入りたくても入れなかった子が可哀想に思えてきた。
「面白くないよ、全然」
「お前には理解し難いか?仕方ねえな、説明してやる。お前を今日から生徒会でこき使ってやるって、生徒会長直々に言ってんだ。さあ入れ。会長命令」
「こんな時だけ会長定義で話進めるのやめてよ、性格悪いな」
「俺の肩もみ係に任命してやるから」
「喧嘩売りに来たの?」
なかなか折れないどころかどんどん勧誘してくるアーサー君と言い合いを始める。ずっと私達の様子を伺っていたロヴィーノ君は、飽きたようでとっくに夢の世界に入っている。
そしてずっとあーだこーだ言われているうちに、どんどん言葉を並べ立てていくアーサー君についに追いつかなくなり私の方が先に折れてしまった。なんと彼の"興味本位"に負けてしまったのだ。
じゃあ、明日から放課後生徒会室に来いよな、と輝かしい顔を残して扉はぱたんと閉められた。私にはずっしりと憂鬱な気分がのしかかる。明日から毎日のようにアーサー君と顔を合わせなければならないのと、勉強が終わってもすぐには帰宅出来ないのと。
原因は色々あったけれど一番嫌だったのは他の事だ。それは生徒会に入る事を渋った理由にも値する。明日からロヴィーノ君と一緒に下校する事が出来ない。ある意味それだけだった。
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くるりん(?・ω・)(プロフ) - 薺さん» 貴重なご意見、ありがとうございます…!まず人種が違いますから、合併なんかも出来ないですし本当に愛し合っていないと結ばれないんじゃないかな、と考えると止まらなくて!拙い文章ですが、頑張らせて頂きます! (2017年3月31日 12時) (レス) id: 405f58ad2d (このIDを非表示/違反報告)
薺 - はじめまして!最後まで一気読みしちゃいました!ヒトとクニの切ない描写がなんかたまりません…!更新頑張ってください! (2017年3月29日 20時) (レス) id: 8d03f80a9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くるりん(✿・ω・) | 作成日時:2017年3月12日 0時