1.ひねくれ者の非常識 ページ1
この世界には私たちヒトとは違った者が存在している事を知っているだろうか。
その者達はクニの名前で呼ばれ、経済の不景気で体調を崩したり、ある歴史を誇るクニでは何年も生きている者もいる。
いきなり現れていきなり消えるという場合もある。クニとは非常に不安定な者で容姿は私達人間と見分けがつかなかったりする。
そして私は知っているのだ。そのクニとヒトが愛し合う事は難しいことだと。
「ロヴィーノ君、ねえロヴィーノ君ってば」
彼の名前を私は何回も繰り返す。学校内で寝るなんてとんだ問題児だ。そしてその問題児が今私の隣の席でよだれを垂らして寝ていることも信じがたい事実。
「んだよ、こんにゃろ。今すごくいい夢見てたのに起こしやがって…って、誰」
「なっ!」
だるそうに顔を上げて明らかに迷惑です、という目で私を見るロヴィーノ君。彼は授業中寝てばかりで不真面目だし、目つき悪いし、何か怖そうだし。何故このW学園に通っているのかと問いたいくらいで。
私に興味が無いのは結構な事だけど、いい加減席も隣なんだし、名前くらいは覚えてほしい。この会話も私がここに入学してから何度目になったか。
「あのね、今授業中。ロヴィーノ君を起こさないと私が先生に怒られるの。まあ起きなかったらそれはそれで、ロヴィーノ君がもっと怒られるだろうけどね」
出来るだけ嫌味を含んだ口調で諭すように話す。そして私の名前はA、いい加減覚えてよと付け加えた。期待はしない。
するとロヴィーノ君が寝ぼけなまこな目を擦りながら言う。
「ピリピリしててやな感じ。何でお前いつも俺に世話焼いてくるわけ?そんなんじゃモテねえぞこのやろ。可愛いベッラだと思って話し掛けた俺が間違いだったぜ」
…折角何回目かの自己紹介をしてあげたのに結局お前呼びですか。
ロヴィーノ君だって、初めてあった時のイメージは物凄くかっこ良かったのにこんなダラダラ男だったとは。
見る目が間違ってたかなとため息をついた。
14人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くるりん(?・ω・)(プロフ) - 薺さん» 貴重なご意見、ありがとうございます…!まず人種が違いますから、合併なんかも出来ないですし本当に愛し合っていないと結ばれないんじゃないかな、と考えると止まらなくて!拙い文章ですが、頑張らせて頂きます! (2017年3月31日 12時) (レス) id: 405f58ad2d (このIDを非表示/違反報告)
薺 - はじめまして!最後まで一気読みしちゃいました!ヒトとクニの切ない描写がなんかたまりません…!更新頑張ってください! (2017年3月29日 20時) (レス) id: 8d03f80a9c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くるりん(✿・ω・) | 作成日時:2017年3月12日 0時