生まれ変わってもモブだったので、今から下克上します。【鬼滅の刃】

Story41 ページ46

You side






…やり、きったぁ……。


えっ、ねえ。私大丈夫かな？？ちゃんと鬼倒したよね？ちゃんと生きてる？
実は鬼と相討ちになって死んでました、とかいう落ち誰も望んでないからね？？


ドク、ドク、と、戦っている時は夢中になり過ぎて気が付かなかったが、今になってようやく自分の血流が乱れていることが分かった。

そして、それと同時にきちんと生きているという実感が湧き、なんとも言えぬ感情が込み上げてくる。

ふぅ、と安堵の声が口から漏れた。

…それと、この空気をぶち壊すようで悪いんだけど。

今更ながら、ほんっっとうに体のあちこちが痛い。


ショタ鬼くんの血鬼術をもろに何度も食らった右腕とか、よく見れば赤黒く腫れ上がっている。

…え？大丈夫かって？

こ れ の 何 処 が 大 丈 夫 に 見 え る の ？(血涙)


あんっっのイケメン柱がぁああ！！！
だーからあれほど！！単独行動は避けろと！！！

……いや、言ってないけど！！！(素直)


あんのイケメンが……。
くっそ、顔がいいな……、許す。(チョロい)



｢…ねえ、お姉ちゃん。僕、すごかった？｣

『へっ、』


ふと、目の前に転がっているショタ鬼くんの頭が喋った。軽いホラーである。

…てか、前々から思ってたんだけど、あの状態でどうやって話してるんだろう……。
おっと、ここから先はいわばレッドゾーンだな。ワニ先生の領域に踏み入っては行けない…。


私はなるべくショタ鬼くんを安心させようとにっこり笑うと、一言こう言った。


『お疲れさま。良く頑張ったね。』


その小さい体で。その小さい腕で、よく戦ったね。
鬼になるのはとっても辛かったでしょうに。

……って、あれ？私、よく聞くと本誌の童磨と同じような事言ってない…？


……ゴホン。

気を紛らわすように咳払いを一つ(心の中で)すると、私はショタ鬼くんに頭にぽん、と手を置いた。


えらいえらい、と労りの意を込めながら。

そもそも血鬼術を使えている時点でかなりの人間を殺したと言うことは明確だし、全く持ってそれを偉いとは言えない。


だけど。それでもさ、死ぬ時くらいは、気を休めて欲しいじゃん。


｢…えへへ、ありがと｣


最後に、そんな声が聞こえたような気がした。

……ショタ鬼くん、人間の頃は普通にいい子だったんだろうなあ。

そんな可愛い子まで鬼に変えてしまうとは…。
あんのくそワカメが。いつか絶対にワカメスープに変えてやる…


大丈夫、ころころされる覚悟は出来てるから(白目)

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