生まれ変わってもモブだったので、今から下克上します。【鬼滅の刃】

Story2 ページ4

You side




あれから12年。

前世の記憶を持っている私は当然、大抵のものは知っているし計算だって出来る。

言葉を話すことだって歩けるようになるまでだって、いつも人一倍に早かった。

まあ前世の記憶持ちというチート特典付きなので当たり前ですがね。はっは。


…え？その間の数年間の経緯？

……そんなん聞いても面白くないですわよ奥さん(誰)

いやー、歯が全部生えきるまでは大変だったねぇ…。

あれは黒歴史だよ。さっさと忘れたい。
おっと、思い出して来たら涙が…

ぶるっと身を震わせ、切実にそう思う私。

……ゴホン。


まあ、要約するとですね。

私ってば大抵の事は一発目から出来るので、周りからは神童だと囁かれてる訳ですよ。

…まあ、褒められて悪い気はしないよね。


そんな黒歴史を抱えながらも、順風満帆な人生を送っていた私。


…仕方が無い。

劇場版の鬼滅の刃が見れなかったことが唯一の心残りですけども。

今世くらいはその事を忘れて、前世出来なかった親孝行でもしよう。



・
・





そう決意した私。

だけど、その三日後に両親が死んでしまうなんて、誰が想像できたと思う？


どうやら私は、相当死神とやらに魅入られているらしい。

こんな子供を持って、この両親は不憫だ。


「可哀想に…」

「お子さんはまだまだ小さいのにねぇ…」

「神童なんて、滅多に生まれるものじゃないのに…」


あれだけ親バカで、温厚な性格だった二人だ。

言わずもがな、葬儀には大勢の人が訪れた。


死因は出血多量。
夜道を二人で散歩している際に、そこら辺の通り魔に刺されて死んだとか。


周りからは、ヒソヒソと声が絶え間無く聞こえる。言いたいならはっきり言えや。

てか誰だ小さいとか言った奴。ぶちのめすぞ。
こちとら精神年齢はアラサーに行きそうなんだよ、舐めんな。

今世の両親とは、年齢が近すぎて親という認識が無かった。

でも。それでも。

良い人達だった。

覚えてやがれ、死神。
今度会ったら、てめーの血液全部抜いてハッカ油注入してやる。

…血液あるか知らんけど。

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