09 ページ10
□
「・・やな事でもあった?」
yg「え?」
飲みに来てからもずっと転勤のことが頭から離れず、Aヌナに声をかけられて、ここまでどんな会話してたっけ、なんてことすら曖昧で、ヌナに申し訳なくなる。
そんな俺をただただ心配そうに見つめるヌナ。
「なんか、いつもに増して静かだから」
yg「ぃゃ、大丈夫です、ほんと。すみません、誘ったの俺なのに」
「んーん、そういえばね」
理由を無理に聞いてくることなく、言わないのならその空気を引きずらないように、軽くするように、Aヌナは声色を変えた。
ヌナが話して、俺が頷いて、と続いた時間は、ヌナのお酒の限度が近付くと自然と終わりを迎える。
最後に烏龍茶を飲んだら、それが合図だった。
こんなにAヌナのことを知っているのに、変わらない関係が急に嫌になった。
後輩という立場さえ変わらず、ヌナのことを自信を持って引っ張っていくことも、その勇気もない。
それなのに別れが確実に近付いていて、
yg「・・まだ、一緒にいてほしいんですけど」
この時だけでも、とAヌナを引き止めるための言葉は、こんなものしか出てこなかった。
「へ?、えっ、ユ、」
yg「・・今日は、離れたくなくて」
「に、2軒目、い・・」
yg「俺の家か、Aヌナの家か、そこか・・」
「そこ、っ・・て、」
視線だけ動かした先には煌びやかに光るネオン。
きっとAヌナが好きであろう自分の顔を最大限に利用して、ヌナの滲み出る気持ちを利用して、そこまでして、今だけはそばに、もっと近くに、いちばん近くに居たかった。
137人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
13(プロフ) - ここさん» 両片思いからの一歩踏み出す感じでモダモダさせてしまいました(笑)読んでくださり、ありがとうございます💜 (11月18日 19時) (レス) id: ecd79cbe0a (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 途中までの煮え切らない態度にソワソワしましたが、最後にやっとって感じでwテテちゃんの存在がアシストしたんですね😝素敵なお話ありがとうございます! (11月18日 7時) (レス) @page12 id: 3ef9ba0026 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:13 | 作成日時:2023年11月17日 23時