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Myside


一目惚れをする瞬間は、ある日突然やってきた。


「探し物ですか?」


給湯室で、顬(こめかみ)あたりを人差し指で掻きながら、顔をしかめて振り向いたその顔に、体の真ん中がぎゅっと掴まれたように疼いた。

それ以降、広い社内でも、遠くにいても、すぐに見つけてしまう自分の目に驚いた。
だから同じ企画にいたときは、勝手にドキドキと速まる鼓動を隠すのに必死だった。

会議が終わる頃、いつもやっていた先輩や上司の飲み終わりのコップを軽くまとめるのも、新任の彼が後片付けを任されることを意識してしまうと、なんだか彼のためにやってるんじゃないか、なんて思えてしまう自分の気持ちに引いたりして。

恋と意識するには早すぎる、けれどどうにも顔が好き。

そんな悶々とする気持ちを退かすように、給湯室の冷蔵庫の中の自分専用のチョコボックスから一つ取って口の中に放り込んだ。デスクに戻り、気が付いたのは資料の後ろが取れてしまっていたこと。
会議室に戻った私は、


「失礼します。忘れ物・・っ、」


突然の二人きりに今度こそはっきりと動揺した。

でも、向こうは私の事なんて知らないはずだ。変に意識してもおかしいと思われるかもしれない。でも、突然過ぎて関わる勇気もまだ無くて、一人で探すから、と慌てて言った。
顔を見たら絶対に意識してしまう。
そう思って極力顔を上げずに探したのが悪かった。


yg「ぁ、」
「?」


その声に反射的に顔を上げてしまって、目の前いっぱいに映ったのは、とことん好みの顔だった。
勢いよく避けてしまったかもしれない。
でも、それを気遣うどころではなかった。
お礼を伝えてそそくさと部屋を飛び出した。
口の中が乾いて、残っていたチョコの甘みがやたら強く感じた。


「ミン、ユンギ・・」


首から下がっていた名札で知ってしまった彼の名前。
その名前がぽつりと口から出ていくと、口の中はますます甘くなった気がした。

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13(プロフ) - ここさん» 両片思いからの一歩踏み出す感じでモダモダさせてしまいました(笑)読んでくださり、ありがとうございます💜 (11月18日 19時) (レス) id: ecd79cbe0a (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 途中までの煮え切らない態度にソワソワしましたが、最後にやっとって感じでwテテちゃんの存在がアシストしたんですね😝素敵なお話ありがとうございます! (11月18日 7時) (レス) @page12 id: 3ef9ba0026 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:13 | 作成日時:2023年11月17日 23時

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