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人数の多い会社で、教育係でも何でもなかったAヌナをしっかりと知ったのは、入社して2ヶ月程経ってからだった。
初めて参加した企画の場にヌナがいて、"給湯室のチョコの人だ"なんて思ったのを覚えている。
会議の流れを程よく良くする発言やその言葉選びに、自分にはない人あたりの良さを感じた。
新人に任された会議終わりの片付けをしようとすると、気付いたのは片付け易くまとめられていたヌナのいた机周り。
慣れない環境にキリキリとしていた気持ちが解かれていく感覚がして、ほっとため息が出たんだった。
コンコン
カチャ、
「失礼します。忘れ物・・っ、ぁ、お片付け中でした?ありがとね」
yg「いえ。ぁ、忘れ物ですか?」
「資料の最後のページだけ取れちゃったみたいで。どこかに落ちてるの拾うだけだから、自分でやります。片付け、続けてて」
そうは言っても、"先輩の探し物"をほっといて片付けをする訳には行かない。
俺も下を覗きながら、Aヌナと反対方向から歩く。
yg「ぁ、」
「?」
目に入ったのは、椅子の下に落ちていたコピー用紙。
yg「これです・・っ、か」
「っ!」
拾って顔を上げて。
その距離に驚いた。
yg「すみません、下向いてて気づかなくて」
「ううん、こっちこそ。それから、探してたの、コレです。ありがとうございます」
お互い下を向いて探していたからか、顔を上げたときの近さに驚いた。
慌てて避けたAヌナから、ふわりとチョコレートの甘い香りがした。その頬が赤くなったのを見て、肌の綺麗さに気が付いた。
俺から資料を受け取ると、もう一度お礼を言ってパタパタと小走りで部屋から出ていった。
それ以降、Aヌナを目で追うことが増えて、企画が進むにつれて会話も増えた。
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13(プロフ) - ここさん» 両片思いからの一歩踏み出す感じでモダモダさせてしまいました(笑)読んでくださり、ありがとうございます💜 (11月18日 19時) (レス) id: ecd79cbe0a (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 途中までの煮え切らない態度にソワソワしましたが、最後にやっとって感じでwテテちゃんの存在がアシストしたんですね😝素敵なお話ありがとうございます! (11月18日 7時) (レス) @page12 id: 3ef9ba0026 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:13 | 作成日時:2023年11月17日 23時