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MYside
「転勤?!」
ユンギに会うのは気まずいな、なんて思っていたのに、なぜか会社でユンギに会うことがなくて。
ホッとしながら、次第に会わない時間の長さに不安になって、つい同僚に尋ねてみると、返ってきたのはユンギが転勤するという話だった。
『てっきりAさんには伝えてるんだと思ってました。今週は転勤先へ事前研修ですって。・・には帰ってく・・た・・で・・よ』
思考が停止するとはこの感覚なのだと、靄がかかったように聞こえる周りの声に、動かせない視線。
苦しくなる心は、あの日のユンギの体温を思い出して、やけに寒い体のせいかもしれない。
ボーっとしてしまった私の意識を戻したのは、
th「先輩?おーい、これ!教えてくださいー!」
最近、研修期間として正式入社前にやって来た新任で、教育担当になったテヒョンの声だった。
「ご、ごめんごめん。ここね、」
th「はい、あと、そのチョコレート、美味しそうですねっ」
「これ?」
th「はい。給湯室から持ってきてませんでしたか?俺、給湯室って憧れてたんですよー。でも、コーヒー飲めなくて(笑)用事ないなぁって思ってたら、先輩が冷蔵庫からチョコ出すの見ちゃって、いいなぁって!」
「お茶もあるよ?給湯室。・・というか、コーヒー飲めないんだね。ブラックです、って・・」
th「ん?」
「顔・・してる、」
th「ブラックって顔ですか?いひひ(笑)なんかかっこいいですね」
自分の口から出た言葉があまりにもデジャブだった。
その瞬間、ユンギを恋しい気持ちが波のように全身を駆け巡った。
気まずいとか、どうしてあの夜私を抱いたのかとか、そんな事はどうでもよくなって、ただただユンギが恋しくなった。
th「そういえば、俺、会社の先輩とスーツで飲みに行くのに憧れてて、先輩、今日の夜どうで、」
yg「っ!た、ただいま戻りました・・っ」
「わ・・っ、」
th「ぅわっ、ビックリした」
「!、ユ、ユンギ?」
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13(プロフ) - ここさん» 両片思いからの一歩踏み出す感じでモダモダさせてしまいました(笑)読んでくださり、ありがとうございます💜 (11月18日 19時) (レス) id: ecd79cbe0a (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 途中までの煮え切らない態度にソワソワしましたが、最後にやっとって感じでwテテちゃんの存在がアシストしたんですね😝素敵なお話ありがとうございます! (11月18日 7時) (レス) @page12 id: 3ef9ba0026 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:13 | 作成日時:2023年11月17日 23時