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無機質な扉が開くと見えるベッドだけが置いてある部屋に、Aヌナと手を繋ぎもせずに入るなんて。
古びた音を鳴らしながら扉が閉じていく。その瞬間、俺はAヌナの手を引いてベッドへ横たわらせた。
yg「・・嫌なら言ってください、まだやめられるので」
「っ、」
ジャケットを脱ぎ、ネクタイを強引に弛め、しゅるしゅると抜き取る。
yg「・・」
「・・っ、」
愛の言葉もなければ、名前を甘く呼び合うことも無く、ただベッドが軋む音とAヌナの戸惑う呼吸だけしか聞こえないのが虚しくて、
「んんっ・・」
ごめんなさい、と心を込めてキスをした。
こんな方法でさえ、そばにいたいと思ってごめんなさい。
こんな時でさえ、素直になれなくてごめんなさい。
至近距離で見つめたAヌナの瞳に映ったのは、我ながら情けない俺の顔だった。
そんな俺と同じような表情で、眉を下げているAヌナ。
こんな寂しそうな顔を初めてみた。
と同時に、こんな顔をさせたい訳じゃないんだと心が叫んだ。
Aヌナの心に少しでも甘い俺が残るように。
いっそ絶対に忘れられないくらいに。
Aヌナを大切に抱こうと、勝手に決めた。
そこからは優しく、ゆっくりと、愛と敬いを込めて触れた。
・
・
俺の中にもヌナが刻まれるように。
・
・
目をつぶればすぐに思い出せるように。
・
・
どうかこの痕が消えませんように。
通知で明るくなったスマホがガラスのローテーブルの上で光る。
その画面に映し出された3月10日。
押し寄せた焦りで忘れていた日付。
なんて後ろめたい誕生日になってしまったのだろう。
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13(プロフ) - ここさん» 両片思いからの一歩踏み出す感じでモダモダさせてしまいました(笑)読んでくださり、ありがとうございます💜 (11月18日 19時) (
レス) id: ecd79cbe0a (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 途中までの煮え切らない態度にソワソワしましたが、最後にやっとって感じでwテテちゃんの存在がアシストしたんですね😝素敵なお話ありがとうございます! (11月18日 7時) (レス) @page12 id: 3ef9ba0026 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：13
| 作成日時：2023年11月17日 23時
