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病室に２人きり…。
会話なんてない。
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何か飲むかな…。って思って、冷蔵庫に揃ってる飲み物のうち緑茶を手に取り、雄也の目の前のﾃｰﾌﾞﾙに置くと…。
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雄也「俺が飲みたい物…。
わかるんだね。w」
A「まぁ…。
一応…。」
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っていうか、わかるに決まってんじゃん。
ﾊﾞｶ…。
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私はｲｽに座って、雄也を見ていた。
すると、「そんなに見られると、食べづらい…。w」って…。
私は嫌みなくらい雄也に背を向けるように座り…。
窓の外を見ながら携帯をいじっていた。
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私の携帯も雄也の携帯もﾛｯｸ画面は、一緒に行った白浜の海の画像。
ﾎｰﾑ画面は、この前。一緒に履いたお揃いのｽﾆｰｶｰの画像。
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A「雄也。携帯。貸して。
どこ?」
雄也「えっ…。
携帯?
貸すの?」
A「いいから。早く。」
雄也「…。」
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いつもなら抵抗なく貸してくれるのに、今日は迷っている。
私は、なかなか渡そうとしない携帯を、雄也から取り上げた。
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A「ﾛｯｸ画面を解除する暗証番号。
覚えてる?」
雄也「…。w
わかんない…。
知ってるの?」
A「知ってるよ。
私の誕生日だもん。
ほら。w」
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雄也には見えないように４桁の数字を押して、ﾛｯｸを解除して見せると…。
「ﾎﾝﾄだ。w」って笑った。
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携帯を２つ並べて、ﾛｯｸ画面とﾎｰﾑ画面のお揃いの画像を見せると…。
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雄也「一緒に海に行ったんだね…。
白浜か?
こっちは…?
お揃いのｽﾆｰｶｰ…?」
A「…。」
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雄也の記憶の中には、私に関する思い出は１つも残ってない…。
って、そう思うと…。
きっと。私は雄也にとって大事な存在じゃなかったんだ。って…。
そう思えて仕方ない。
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作者名：グラノラ
| 作成日時：2015年7月19日 8時
