49 ページ16
「今夜、学校に行け。そこで生徒会が結束する。そこに滑り込むんだ。春菜にはこっちから伝える」
そう言われ、夜の学校に忍び込むと言う人生の中でもあまり味わわない経験をする羽目になった。
生徒会室に近づくと、生徒会室だけ明かりがついているのが分かる。
かすかだが、誰かの話す声もする。
ごくり、と唾を飲み、扉に手をかけ、開けた。
ガラッ
そこにはツバメと机を挟んで生徒会のメンバーがいた。
ツバメは何故か耳を抑えている。
もしかして、イヤホンでもしているのか。
ツバメはともかく他のメンバーのビビり方は異常だ。
腕の中の物をそそくさ背中に隠している。
「そんなビビらなくていいよ」
説得力はないが。
私はツバメに歩み寄り、握手の要領で手を差し出した。
「私も仲間にして下さい」
ツバメは暫く耳に添えた手を動かさず呆然としていたが、やがてゆっくりと手を下ろし、私の手を握った。
「え！？会長いいの！？こいつプラチナ8の……」
御手洗が我に返ったように反論をする。
「私は今、プラチナ8から生徒会に寝返りました」
「でも、なんでよりによって今の生徒会に？」
入り口付近にいた油森が私に近寄ってくる。
「自分を、変えたかったから、かな」
上手く笑えただろうか。
ツバメがAちゃん、と大きな旗を持ってきた。
「わ、私もまだAちゃんのこと分からないけど、みんなで一緒に旗を取って、この学校に反乱を起こそう。私たちの自由を取り戻そう！……Aちゃんは、それでもいいの？」
「いいよ。私はそのつもりで来たから」
私も旗を握る。
他の生徒会のメンバーは困惑したように顔を見合わせたが、こちらに来て、旗を握ってくれた。
窓を開け放つと、明蘭学園校章の旗がなびく。
私は前見た夢を思い出した。
あの時の旗の少女は、ツバメだったんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちーこ(プロフ) - デコリンさん» ありがとうございます*\(^o^)/* (2015年1月25日 16時) (
レス) id: 95fc03ba2a (このIDを非表示/違反報告)
デコリン - 話の続きがきになるヽ(*´∀｀)ノ (2015年1月25日 15時) (レス) id: 690a527a53 (このIDを非表示/違反報告)
坂本(´∀`)(プロフ) - この小説楽しんで見させてもらってます。さいしん頑張ってください (2015年1月18日 20時) (レス) id: 5a8433b25d (このIDを非表示/違反報告)
ちーこ(プロフ) - 坂本(´∀`)さん» 一応目に付いたものは修正いたしましたので、ご確認頂けると幸いです。また誤字脱字等発見されましたら、ご報告頂けると嬉しいです！ (2015年1月18日 19時) (レス) id: 95fc03ba2a (このIDを非表示/違反報告)
坂本(´∀`)(プロフ) - １の小説に変換間違えがあって直しませんか？・・すみません (2015年1月18日 19時) (レス) id: 5a8433b25d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちーこ | 作成日時：2015年1月18日 19時
