35 ごめん ページ35
振り返ったら、濡れた前髪の奥で熱の灯りかけた眼差しが私を見つめていてどきっとした。
腕に力がこもって、ニノが私の腰を引き寄せる。
｢ニノ。･････ダメだよ？｣
｢ん。･･････ごめん｣
離してくれたニノは、まるで捨てられた子犬みたいで、いつもの小悪魔な感じは欠片もなかった。
なんだか抱きしめてあげたくなったけど、出来ないから、代わりにニノの顔に水を掬ってパシャッてかけた。
｢何すんの!?｣
そこから水の掛け合いがはじまって、雅紀君も一緒になって、みんなでびしょびしょになった。凄く楽しかった。
･･････ごめんねニノ。変なフェロモン出てて。
まだ泳げるのかなーって試してみたら意外に泳げて、調子に乗って背泳ぎしてたら途中で雅紀君がクロールで追いかけてきて止めてくれた。
｢それ以上沖に行ったら危ないから｣
｢うん。ごめん、気がつかなくて。ありがとう｣
足が着かなくて平泳ぎで帰ろうとしたら、雅紀君が背中に乗ってって言って、足が着くところまで泳いでくれた。
でも、なかなか海から上がって来ない雅紀君。
ニヤニヤ笑いのニノが｢あーあ、やらかした｣って意地悪く言うから･･････そういうことだよね？
｢･････だからやめとこうって言ったのに｣
｢どこまで罪作りなの？｣
｢やめようって言ったよ？私は｣
｢それでも近づきたくなっちゃうんだよ。･･････わかってるよ、おまえが全部悪くないことくらい。勝手に男がおまえに夢見て盛り上がってるだけ。･････だから昨日のことも気にしないように｣
｢ニノ･････｣
穏やかな波が寄せては返す。
ニノの優しい心も私にちゃんと届いて、ちょっと涙ぐんでしまった。
｢相葉さんのことからかって遊んで来よっと｣
機嫌よく海に戻って行ったニノを見送って先に海の家に戻ったら、海の家の前にあるベンチにお兄さんが座っているのが見えてびっくりした。
近づいてきた私に向かって、お兄さんはのんびりと言った。
｢青春やね〜｣
｢あ･･････お兄さん、いつから来てたの？｣
途端に恥ずかしくなった私はさりげなく腕で体を隠した。
さっきまで気にならなかったのに、急に意識してしまう自分の姿。滴り落ちる雫一つでも恥ずかしくて。
そんな私を見てお兄さんは苦笑した。
｢･･････着替えておいで｣
素直に頷いて、足早にシャワールームに入った。
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ao(プロフ) - けいこさん» けいこ様、ありがとうございます〜。メロメロタイムはもう少しお待ち下さいませ。私も青色さんメロメロにしたい！無理だけど！ (2018年6月5日 6時) (
レス) id: 662b179892 (このIDを非表示/違反報告)
けいこ(プロフ) - はーい！楽しんでますっ。フェロモンたっぷりの主人公ちゃん、早く智をメロメロにしちゃってよぅ〜。クーうらやましい！ (2018年6月4日 10時) (レス) id: 2fb3c7c4f9 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 小春柴犬さん» 小春柴犬様。コメントありがとうございます。励みになります。全財産持って行かれた理由、更新しましたよー。今甘くないですけど、また甘くしますから、待ってて下さいね〜。 (2018年6月3日 6時) (レス) id: 662b179892 (このIDを非表示/違反報告)
小春柴犬(プロフ) - 書ききれず連投ごめんなさいm(_ _)m 全財産持ち逃げしたくせに!あおさん早く成敗してください（笑）ではでは更新お疲れ様でした。続き待ってます (2018年6月2日 18時) (レス) id: d59263fbc6 (このIDを非表示/違反報告)
小春柴犬(プロフ) - あおさんこんにちは!一気に読みました!途中智呼びにグフフっとなりつつ（笑）あまーい雰囲気ですね。潤君男前だ。ヒロインの色気に勝ってる(ﾉﾟοﾟ)ﾉ翔さんの先輩ポジション本当いいですね。大ちゃん好きなのに揺らいじゃいますよ。お金の女の人腹立ちますね (2018年6月2日 18時) (レス) id: d59263fbc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年5月25日 6時
