44話 見ないでーー ページ44
山本君は智さんの身体を見て、感心しながら言った。
｢パン屋って重労働なんですね･･････。でもこの身体が手に入るなら、俺頑張ろう｣
熱い目でみんなから裸を見つめられた智さんは、自分を抱いて身震いするジェスチャーで照れていた。
｢おまえら見んな！ あっち行け｣
私の隣には、パラソルの下でビニールシートの上に寝転び、のんびり夏を満喫している智さん。
さっきから、近くの綺麗なお姉さん二人組が、智さんのことをチラチラ見てきている。
いい男ねって、ヒソヒソ言っている気がする･･･････。
私は妬きそうになる自分を頑張って押さえた。醜い私は嫌だから。どうか、美女達のアプローチが智さんに届きませんようにって願いながら。
私って、こんなに愛されてるのに、どうして妬いてしまうんだろう。もう、まいっちゃう。
私は美女達の方を見ないように前を向くと、カラフルなビーチパラソルや浮輪、海水浴客の楽しげに遊ぶ姿に目を移した。
･･････今日は風が気持ちいいなー。
どこからか、ヤキソバの匂いがしてきた。
見回したら、それは親子が近くで食べているヤキソバからだった。
｢智さん、お昼はヤキソバが食べたくなってきちゃった｣
｢･･････こういうとこで食うと美味いもんね｣
ふんわり笑ってる。
サングラスの下で目が弧を描いているのが見えるようだった。
智さんは続けて言った。
｢夏の香りだねぇ〜｣
ん？
あれ？
今なんて言った？
私は裸の智さんの肩を揺すった。
｢智さん、今なんて言った!?｣
｢へ？｣
智さんはサングラスをずらした。
綺麗な優しい瞳がキョトンとして私を見上げて来る。
｢わかんねぇけど。おいらなんか喋った？｣
｢今、夏の･･････夏の香りって言ったよ!?｣
｢夏の･･････？ あぁー、うん、言ったわ。･･･････だって、この、外で食うヤキソバの匂いってぇ、冬にはあんま嗅がなくない？ 祭とか海とか、だいたい夏でしょ？｣
私は目を見開いた。
｢それじゃない!?｣
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ao(プロフ) - さとりさん» さとり様コメントありがとうございます。返信遅くなってごめんなさい。終わって脱力してました。嬉しいお言葉に、また作る力を貰ったような心地です。思いは溢れれど、不在の寂しさにまだ前を見れず。早く新作が書けるようになって、また喜んで貰いたいです♪ (2021年6月13日 10時) (
レス) id: 17a7f53f1b (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様返信遅くなってごめんなさい。私もいつも最後の句読点を打つときは寂しくて手が止まります。でもこうしてコメントがいただけると思うと、早く投稿したくもなって。いい時間を過ごさせて貰えました。ありがとうございました！ (2021年6月13日 10時) (レス) id: 17a7f53f1b (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しゅるるさん» しゅるる様おはようございます。返信遅れちゃってすみません。汗。･･･この空の下で幸せに、智君らしく過ごせていたら、ほんとに嬉しいです。早くメディアに出て来て欲しいなんて思ってませんがやっぱり会いたくなるその気持ちをここで昇華させて貰ってます♪ (2021年6月13日 10時) (レス) id: 17a7f53f1b (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ていくさん» ていく様おはようございます。返信遅れちゃってごめんなさい。腑抜けになっちゃってました。過去作修正したりしてました。過去作の続編とか、私も大好きです。喜んで貰えて良かったです♪ありがとうございました！ (2021年6月13日 10時) (レス) id: 17a7f53f1b (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんおはよー。返信遅くなってごめんね。そうなの、背中もやばいの。抱きつきたくなるぅ。完結できてよかった。新作までは遠いけど、書けたらいいなって思ってるよー♪ (2021年6月13日 10時) (レス) id: 17a7f53f1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2021年5月25日 22時
