11話 過去 ページ11
ルミさんは気さくに言った。
｢実はね、今度この町の夏祭りフェスタにＤＪとして呼ばれてるの。だから智にも挨拶しておこうと思ってきたのよ｣
｢へぇ。まだその仕事やってたんだ？｣
｢失礼ね。あんたFM聴いてくれてないの!? 毎週月曜の午後2時から2時間、私番組持ってるのよ？｣
凄い。パーソナリティをしてるんだ？ 有名人なの？
私は、智さんとルミさんは相当親しいと理解した。
だってルミさんは、口調はきついけど顔は嬉しそうに笑っているし、智さんも、怒られてもなんのダメージもないようで、楽しそうに笑っている。
お互いに、慣れた感じだった。歴史が感じられた。
･･････それを見て、二人の間柄が窺い知れた私は、胸を少し切なくさせた。
その昔、嫌いで別れたわけではない、智さんとキョウコさん。
智さんのことは好きだったけど、別の人と激しい恋に落ちて、駆け落ちのように去っていったそう。
今智さんは、キョウコさんと似ているという友達のルミさんを目の前にして、キョウコさんのことを考えていたりする？
それは楽しい思い出？
･･････甘い思い出？
二人が愛し合った日々は今も鮮明･･･････？
｢･･････久しぶりね。キョウコがあんな去り方だったから、近づきがたかったのよ。ごめんね？｣
｢全然いいのに。気にする必要ないよ？｣
｢智･････。やだ、年かしら、なんか私泣きそうよ？｣
｢泣くな？｣
｢うん｣
感慨深そうなルミさんを、優しい目で見つめる智さん。
｢あの頃は毎日ばか騒ぎして楽しかったわ･････｣
｢相当ばかだったよね？｣
｢一番ばかだったのは智でしょ？｣
｢そうだったっけ？ ･･････忘れたわ｣
｢何にしろ、人生で一番刺激的だったかも。それは智もでしょ？｣
｢ンフフ。･･････まぁいろいろ凄かったね｣
懐かしそうにする智さん。
私はそれを見て、急に不安で怖くなった。
智さんが私から離れて行ってしまいそうで、ルミさんに連れていかないでってお願いしたくなった。
若かりし頃の智さんは、いったいどんな風だったの？ 少なくとも、今よりずっと自由そう･･････。
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ao(プロフ) - さとりさん» さとり様コメントありがとうございます。返信遅くなってごめんなさい。終わって脱力してました。嬉しいお言葉に、また作る力を貰ったような心地です。思いは溢れれど、不在の寂しさにまだ前を見れず。早く新作が書けるようになって、また喜んで貰いたいです♪ (2021年6月13日 10時) (
レス) id: 17a7f53f1b (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様返信遅くなってごめんなさい。私もいつも最後の句読点を打つときは寂しくて手が止まります。でもこうしてコメントがいただけると思うと、早く投稿したくもなって。いい時間を過ごさせて貰えました。ありがとうございました！ (2021年6月13日 10時) (レス) id: 17a7f53f1b (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しゅるるさん» しゅるる様おはようございます。返信遅れちゃってすみません。汗。･･･この空の下で幸せに、智君らしく過ごせていたら、ほんとに嬉しいです。早くメディアに出て来て欲しいなんて思ってませんがやっぱり会いたくなるその気持ちをここで昇華させて貰ってます♪ (2021年6月13日 10時) (レス) id: 17a7f53f1b (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ていくさん» ていく様おはようございます。返信遅れちゃってごめんなさい。腑抜けになっちゃってました。過去作修正したりしてました。過去作の続編とか、私も大好きです。喜んで貰えて良かったです♪ありがとうございました！ (2021年6月13日 10時) (レス) id: 17a7f53f1b (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんおはよー。返信遅くなってごめんね。そうなの、背中もやばいの。抱きつきたくなるぅ。完結できてよかった。新作までは遠いけど、書けたらいいなって思ってるよー♪ (2021年6月13日 10時) (レス) id: 17a7f53f1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2021年5月25日 22時
