8話 ページ8
｢ごめんね智君、大騒ぎして･････。恥ずかしい｣
私って馬鹿だなぁと思って情けなくなりながら改めて頭を下げて謝ったんだけど、顔をあげて見た智君は不機嫌そうだった。
｢大騒ぎすることだろ｣
｢え？｣
｢消毒しねぇと｣
｢どこも怪我してないよ･･･････？ あ･･････もしかして触られたところ？｣
｢あー･････もうっ！ そのバス二度と乗るなっ｣
珍しくイライラしていた。
でも、一方で私は安堵し、胸が暖かくなった。
智君が心配してくれていることが嬉しくて。
｢智君、コンビニに何を買いに来てたの？ まだ･････買ってない？｣
手ぶらなのを見て首を傾げたら、智君は空を見上げた。
｢なんか今日暗いじゃん。ここ通るのわかってたからぁ。･･････それで｣
｢･･････えっ、じゃあ迎えに来てくれてたの!?｣
｢うん。･･････学校まで行きゃあ良かったわー｣
口惜しそうにしている智君を見て、思わず抱き着きたくなった。
嬉しい･･････！
智君ってすごい。
智君に会った後から、怖かった気持ちがどんどん幸せな気持ちに塗り変えられていく。
見れば、駐車場に智君の車が停まっていた。
じゃあ、この店の外の軒下で、私の帰りを待っててくれたんだ･･････。
ああもう、愛しさが溢れる！
｢智君、大好き｣
｢そんなことよりおめぇ･･････｣
言いかけた時、一台の車が駐車場に入ってきた。
その車は車庫入れせず、急ぎの用事でもあるかのように、斜めに車を止めると、すぐに開いたドア。
私はそこから降りてきた人を見て驚いた。
｢二宮先生･･････！｣
二宮先生は厳しい顔をしていた。
雨に濡れるのにも構わず走ってやってくると、私と智君の前に立ち、智君を挑むような目で睨みつけた。
｢A、こいつ誰？｣
それを言ったのは、智君ではなく二宮先生だった。
よ、呼び捨てだ！
どうして!?
でも、すぐに思い至った。
あ･････そうか。智君が不審人物に見られてて、二宮先生は威嚇してくれてるんだ。
私は慌てて間に入った。
｢先生、知り合いなんです。だから大丈夫です。 家の隣に住んでる人で、さっきここで会って･･････｣
二宮先生は、それで警戒を解いて安心してくれるものと思ったんだけれど、厳しい顔のままだった。
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kiki(プロフ) - ao様 お気遣いありがとうございます！今日は快晴です、ao様の作品を読み返して私の心も快晴です！智くんのソロキャンプ見てキュンキュンです。更新楽しみに待ってます！ (2020年7月8日 12時) (
レス) id: 8817d67ddc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - みかぽさん» みかぽ様こんにちはー。智君好きなので、時々智君出さないと私が飢えるので(笑)随所に萌えを散りばめてあります。このあとも波乱含みですが賑やかなアパートをよろしくお願いいたします！ (2020年7月8日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ていくさん» ていく様こんにちはー。賑やかなアパート。最後の「引っ越してぇ･･･」に智君の思いが全部詰まってて笑えます。さてさて、どうなりますでしょうか！ (2020年7月8日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちは！九州地方でいらっしゃったんですね。今日もそちらは雨でしょうか。天災は避けようがないので本当に困りものですね･･････。そんな中で、ここでもし癒やしが届けられていれば本当に嬉しいです。面白い展開になってきましたよー。 (2020年7月8日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - あゆみさん» あゆみ様コメントありがとうございます。とても嬉しかったです。被害はなくとも心労は重なりますよね。ここで少しでも癒すことが出来ればと思います。愛と萌えをてんこ盛りで、これからもお届けできればと思います。ありがとうございました〜！ (2020年7月8日 8時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年6月27日 18時
