9話 お嬢 ページ9
｢だいたい、そんなにのろけてないやん。二人が会社でイチャイチャしてるの見たことないけど？｣
｢･･････でもきっと、大野さんのことを好きな人にとったら、気分が悪いんだと思います。気をつけなきゃ｣
｢お嬢のこと？｣
当たってるけど頷くのが憚られたら、丸山さんが私の肩を気安く叩いて言ってくれた。
｢お嬢のことは気にせんでええよ。大ちゃんの彼女は満場一致でAちゃんなんやから堂々としとき。もしも大ちゃんがお嬢に乗り換えるって言ったら、さすがにみんなから愛されてる大ちゃんでも、全員から総スカンやで？ Aちゃんをふる男なんか、まず俺が許さへんもん｣
心強い丸山さんの言葉に感動しかけたら、丸山さんが背後から耳を引っ張り上げられた。
｢痛い痛い痛い！ 誰や、ん？ 松潤かぁ〜。なんやねんいきなり｣
現れたのは彫像にように美しい顔立ちの松本さん。細身の濃紺のスーツが均整の取れた筋肉質な身体に似合っている。
｢おまえ、大野さんのいないところで彼女を口説くなよ｣
｢口説いてないわ！ 励ましとったんや！｣
松本さんの濃いめの眉が寄った。
｢励まし？ ･･････悩み事があるの？ なら俺が相談に乗るけど。今夜馴染みの店に美味しい魚貝が入ったから呼ばれて行くんだけど、一緒にどう？ そこで聞くよ？｣
気遣うようにまっすぐに見つめられ、私はその優しさに心がほぐれた。
松本さんって、ほんとにオシャレでスマートな人だなぁ。
けれど途端に噛み付く丸山さん。
｢おまえの方が口説いとるやんか！ なーにが美味しい魚貝や。松潤はそこらのワカメでも食うとけ！ ミネラルとっておまえの好きな健康オタクになっとけや！｣
｢はぁ？ 口説いてねぇわ。ふざけんな｣
｢やったら大ちゃんとAちゃんが別れて、もしも毎晩Aちゃんが部屋で泣いてるって聞いたらおまえどうする？｣
松本さんは言葉に詰まった。
想像したみたいで、急にシリアスに俯いた。
｢･･････励ましに行きたい。泣かないで済むようになるまで一緒にいてやりたい｣
思わずドキッとしてしまった。
松本さん、優しい･････。
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ao(プロフ) - さとりさん» さとり様こんにちは！好きの溢れるとっても幸せなコメントをありがとうございました。思わずにやけちゃいました。また萌の詰まった幸せなお話を書きたいと思えました。これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2020年4月10日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様こんにちはー。私もロンバケの二人は平和で可愛いので大好きなお話です。また機会があったら是非とも書いてみたいと思っています。嬉しいコメントをありがとうございました！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。読んで下さってありがとうございます〜。最近の智君のビジュアルほんと素敵だと思いません？あのビジュアルを想像しながらお話作ってます。相変わらず手洗いソングとワンラブリボーンを鬼リピしてます。近々また更新しますからねー！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちは！私もお姉様好きです。お話を面白くしてくれるので感謝もしてます(笑)。オフィスものはスイスイ書けるので、書いててストレスフリーで実に楽しいです。また新作で作ってみたいものです。ありがとうございました！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちは。君の〜の続編近々更新しますので楽しみにしてて下さいね〜。のんびりした二人のお話は作ってて癒されます。 (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年3月31日 16時
