4話 ページ30
翔さんが言った。
｢Aちゃん。抱きしめてもいいって許可を出したのは、雅紀が好きだから？｣
私は質問の深刻さに息を飲んだ。
これに頷けば、みんながショックを受けるのは明白で、そんな姿を想像するのはとても怖いことだった。
私は気がついた。
･･･････私、この中の誰にも傷ついて欲しくないって思ってる。
それじゃあ私、この中からは誰も選べない･･･････。
私は雅紀君にも、みんなにも、申し訳なく思いながら首を横に振った。
｢私、本当に、次に付き合う人は慎重に、心から好きになった人とって思ってるの。みんなの中から選ぶなんて贅沢過ぎることで、待たせるなんてもっての外だって分かってる。でも、まだ決めきれないの･･････｣
ああ、私ってなんて厄介な人間なの。
悲しくなってくる。
｢それは俺らもわかってるよ｣
翔さんが微笑んで頷いてくれた。
｢急がせるつもりなんてない。俺らだって、Aちゃんが今度こそは素敵な恋をして、幸せになってくれるのを心から願ってる。･･････それが自分達だったらいいのにってそれも願ってるけど｣
｢翔さん･･････｣
切なくなって、涙が込み上げてきた。
みんな、真摯な顔で私を見つめていた。
本当に、みんな輝いている。
待たせてるだなんて申し訳ないことだって思うんだけど、どうしてもまだ決め切れない。
｢ごめんね、みんな･･････｣
私が謝ると、雅紀君が言った。
｢今夜の予約、あれもう全部なしでいいから｣
｢えっ｣
｢俺の気持ちなんて改めて言う必要もないでしょ？ 抱きしめるとか、図に乗りすぎたしね。ごめんね？｣
私は頭を掻いて謝る雅紀君を見つめた。
いつも私の気持ちを優先してくれる雅紀君。
今もまた･･････。
私は首を横に振った。
｢キャンセルは無効だもん｣
びっくりしてる雅紀君に重ねて言った。
｢予定通りでいいよ。･･････私が了承したのは、雅紀君への感謝だから。キャンセルしちゃったら感謝の伝え処がなくなっちゃう。･･････みんなごめんね？ だからキャンセルは効かないから。予定通りでいいよ？｣
｢Aちゃん･･････いいの？｣
｢もちろん｣
私が頷いたら、雅紀君はやっと笑顔を浮かべてくれた。
ほっとしたけど、今度はみんなの顔を見るのが怖かった。
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ao(プロフ) - junさん» jun様こんにちはー。あははは、私も書き終わりたくないですー！(笑)。一生あそこに住んでいたい。 (2020年2月25日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちはー。私もパワーがあれば過去作品の番外編とか書いてみたいんですけどなかなか時間がなくて。想像したりはしてますよー。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。確実にえむ様には萌えていただけるだろうと思ってました！萌どころが一緒なので。喜んでもらえてよかったです！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様こんにちは。ほんとに悩ましい限りです。みんなとつきあわせてあげたいです。次回もお楽しみに。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 大野家出て行きたくなーい！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年2月15日 9時
