53 優しさに包まれたなら2/21 ページ23
雅紀君は私を連れて、公園の奥にある池の方へ散策しながら向かった。
池にはスワンボートが運行されていて、土曜日だから親子連れも多く、池の上には10台程のボートが浮いていた。
雅紀君はボートに乗らず、それを眺める奥まったベンチに行くと、私をエスコートして座らせてくれた。
自分もその隣に座った雅紀君は、しばらく池を眺めていた。
｢･･････ここさ、たまに息詰まったら来るところなんだ。こうして、ボートの流れをしばらく目で追ってたら、そのうちやる気が育ってくるっていうか｣
｢そうなんだね｣
｢和也が今日ここを選んだのって、それを知ってたからだと思う。･･････多分、最初からさっきの言葉を言おうとしてたんじゃないかな。告白しろって。･･････情けないね、俺。助けられなきゃ言えないなんて｣
｢そんなことない！｣
私はびっくりして雅紀君に膝を向けた。
｢雅紀君は私のことを考えてくれたからでしょう？｣
だから、言えなかったんだよね。
･･････でも、本当に？
本当に私のことを？
･･････信じられないよ。五人ともだなんて。
｢言おうとは思ってたよ。俺も男だし、そこまで譲る気はなかった。でも、言うのは家を出てからでもいいかなって･･････｣
｢私がその間に誰か好きになっても良かったの？｣
｢･･････うん。それは仕方ないかなって。･･････言ったよね、俺。Aちゃんのこと信じてるって。次にする恋は、自分で選んで心から好きになった人と付き合ってくれるって信じてたから、そこは、問題じゃなかった。Aちゃんがそういう人を見つけられたんなら、それはそれで嬉しいし｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1313人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - junさん» jun様こんにちはー。あははは、私も書き終わりたくないですー！(笑)。一生あそこに住んでいたい。 (2020年2月25日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちはー。私もパワーがあれば過去作品の番外編とか書いてみたいんですけどなかなか時間がなくて。想像したりはしてますよー。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。確実にえむ様には萌えていただけるだろうと思ってました！萌どころが一緒なので。喜んでもらえてよかったです！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様こんにちは。ほんとに悩ましい限りです。みんなとつきあわせてあげたいです。次回もお楽しみに。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 大野家出て行きたくなーい！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2020年2月15日 9時
