2話 ページ11
｢だから彼を目当てに入るなら辞めといた方がいいわよ｣
雅紀君の彼女･････？
雅紀君、彼女いないって言ってたのに？
私はショックを受けながら尋ねた。
｢つ、付き合われて間もないんですか？｣
｢長いわよ。もう三年かしら｣
｢えっ｣
私は目を見開き、自慢げな彼女とディスカッション中の雅紀君を交互に見やった。
すると何度目かの視線の往復後に、窓の向こうの雅紀君と目が合い、雅紀君は私を見つけて仰天していた。
｢Aちゃん!? どうしてここに!? びっくりしたよー！｣
廊下に出てきた雅紀君は私の前にやって来ると、驚きを笑顔に変えて歓迎してくれた。
｢よく来たね！ あはっ、見学の腕章なんかつけてら。こんなのつけずに生徒の顔して入ってきてもばれなかったよ？｣
私は変わらない雅紀君のニコニコ笑顔にほっとしながら微笑んだ。
｢この近くに用事があって、ちょっと覗いて見たくなったの。ごめんね？邪魔しちゃって｣
｢全然！ むしろすごいやる気出たよ？ 今から実技の試験があるんだけど、お守り貰った気分｣
｢試験なの!? 大変な時に来ちゃった！｣
｢アハハ。試験が多い学校だから。点数悪くて落第するとか、そんな切羽詰まったものじゃないから大丈夫だよ。技術の経過観察みたいなもんだから｣
それを聞いて、ほっと胸を撫でおろした。
｢そっか、頑張ってね？｣
｢頑張る頑張る！ 無茶苦茶頑張れる！ あ、お昼食べた？｣
｢まだだよ？ このあと家に帰る時間が取れなかったら、早めにバイトに入って、従業員価格でパンを食べさせて貰おうと思ってて｣
｢よし！ じゃあ、待ってて。俺、昼に友達から貰った差し入れがあるんだけど緊張で何にも入らなくて。それ食べて帰りなよ。とって来るから待ってて？｣
駆け出しかける雅紀君の服の裾を掴んだ。
｢なに？｣
｢･････たべられないくらい緊張してたの？｣
雅紀君は一瞬ヤバいっていう顔をしたけど、すぐに微笑んだ。
｢大丈夫。Aちゃんのお陰でもう落ち着いた。･･････メイクなんだけど、苦手な試験でさ｣
｢雅紀君･････｣
私は想像以上の雅紀君の頑張りを目の当たりにして言葉を失った。
すごいね、雅紀君･･････。
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ao(プロフ) - junさん» jun様こんにちはー。あははは、私も書き終わりたくないですー！(笑)。一生あそこに住んでいたい。 (2020年2月25日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちはー。私もパワーがあれば過去作品の番外編とか書いてみたいんですけどなかなか時間がなくて。想像したりはしてますよー。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。確実にえむ様には萌えていただけるだろうと思ってました！萌どころが一緒なので。喜んでもらえてよかったです！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様こんにちは。ほんとに悩ましい限りです。みんなとつきあわせてあげたいです。次回もお楽しみに。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 大野家出て行きたくなーい！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年2月15日 9時
