2話 ページ37
智さんはリビングに入って来ると、ソファに座った。
なんだか眠たそう。
智さんはもう眠る時間だもんね。
･･････にしても、智さんてば余裕そうだ。
キリコちゃんが不思議な顔で言った。
｢智は捜しに行かないの？｣
｢･･････動かないのが役目｣
｢なにそれ。･････あー、守ってくれてんの？｣
私たちのこと？
キリコちゃんは感心して言った。
｢さっき、誰も指示しないし相談もないのに、みんな自分の役割が分かってるみたいにバラバラに散ってったよね。こういうのチームワークっていうの？ でもどうして智が残ったの？｣
智さんは欠伸をしながら言った。
｢年寄りだからじゃね？｣
それを聞いて、私もキリコちゃんも吹き出して笑った。
こんな時なのに笑ってしまった。でも笑ったら楽になった。
｢違うよ、残らせたのは親父が一番強いからだよ？｣
そう言いながら入ってきたのは雅紀君。
発言に驚いたけど、雅紀君が持ってるものを見てもっと驚いた。
それは私のパンツだった。
びっくりして慌ててひったくるようにして返して貰った。
｢どうしてこれを持ってるの!? どこにあったの!?｣
すると背後から現れたのはバツの悪そうな和也君だった。
｢･･････俺の部屋にあったの｣
｢どうして･･････｣
目を見開いたら、雅紀君が私の両肩を掴んで真面目な眼差しで強く言った。
｢盗んだ犯人は和也じゃないから！ それだけは絶対だから！信じてあげて!?｣
私はごくりと唾を飲み込んで頷いた。
｢う、うん･･････。分かってるよ？｣
ほっと胸を撫で下ろす雅紀君。
和也君はクスッと笑って雅紀君の肩を叩いた。
｢だから正直に言っていいって言ったでしょ？ 雅にぃさ、俺の部屋でこれ見つけた時、後から部屋に入った俺に、自分の服の中に隠して見なかったことにしようとすんのよ？ 雅にぃが一番俺のこと信じてないんじゃん！ねぇ？｣
同意を求められて、クスッと笑ってしまった。
和也君の嬉しそうな様子を見ていたら幸せで。
･････和也君、雅紀君の庇おうとする行動が嬉しかったんだね。
いいお兄ちゃんで良かったね。
麗しい兄弟愛に、じーんと来た。
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ao(プロフ) - saboさん» sabo様コメントありがとうございます。私もプールのシーンはいずれも大好きな萌がつまっていて、お気に入りです。続きもどうぞお楽しみ下さいませ。ありがとうございました！ (2020年2月22日 15時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
sabo(プロフ) - こんにちは。いつも楽しみに読ませて頂いてます。 智くんとのプールでのシーンにドキドキが止まりませんでした！続きを楽しみにしています。 (2020年2月22日 14時) (レス) id: af5ad827ec (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様おはようございます。コメントありがとうございます。潤君、次回頑張りますよ。ぜひ読んでやって下さい。また更新しますので、その移行先でお待ちいたしております。 (2020年2月18日 8時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - キリコちゃんの真意は…うんわかった…。また潤くんが殻に籠らなければ良いけれど（ＴＴ） (2020年2月17日 9時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様おはようございます。キリコちゃん迷惑キャラでご迷惑をおかけしています(笑)。お気持ちお察しします。いよいよ明らかになるキリコちゃんの真相。さてさて。お楽しみに。ありがとうございました〜。 (2020年2月17日 8時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年2月5日 5時
