4話 ページ11
｢翔、さん？｣
思わずその腕を掴んだ。
顔を上げた翔さん。キッチンから漏れる明かりで、その表情が帰ってきて初めて窺い知ることが出来たんだけど･･･････。
私は息をのんだ。
｢翔さん！ その怪我･･････！｣
｢しっ！ ･･････みんなまだ寝てるから｣
言われて自分の口を押さえたけど、それはみんなの睡眠をおもんばかったせいじゃない。翔さんの唇の横に赤青い打ち付けたような傷跡があって、その酷さに驚いたからだ。
｢向こうに行こう｣
促されて、翔さんの後を呆然としながら追った。
キッチンを通りすぎて、翔さんはその奥の洗面所に入った。
私はそこへ入るのを躊躇われた。
でも中から｢いてぇ････｣って声が聞こえてきたから、心配になって、そっと窺うように入った。
顔を洗っているところだった。
･･････あれは多分、殴られた傷だ。
誰に？
山内さんのところに行っていたんじゃないの？
ハッとした。
｢翔さん、それまさか岳が･･････！｣
駆け寄って、隣に並んで覗き込んだら、翔さんは苦笑した。
｢違うよ｣
一瞬だけほっとした。
｢じゃあ誰に･･････｣
まさか山内さんが殴るわけないし。
｢翔さん、口の中が切れてるんじゃないんですか？｣
｢多分････。いや、うん、実は切れてる｣
｢外側の傷だけでも手当しましょう？｣
翔さんはちらりと私を見た。
｢やってくれるの？｣
｢もちろん｣
｢やりぃ｣
冗談めかして微笑んだ翔さんだったけど、すぐにイタタタタって顔をしかめてて、辛そうな様子が気の毒だった。
どうしてこんな怪我をしちゃったんだろう･････。
｢消毒液が口に入るのは避けた方がいいから、湿潤で治しましょうか｣
それ用の傷テープがあったから、石やゴミが入ってないのを確認して、テープを貼った。
｢触っても大丈夫かな。ぬくめた方が貼りつきがいいから。･････翔さん、触れてもいい？｣
｢い、いいよ？｣
そっと翔さんの口元に掌を当てた。
温かくするためだけど、私の早く治って欲しいその気持ちが伝わって、回復が早まるといいと願いながら。
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ao(プロフ) - mikimiki2911さん» mikimiki2911様おはようございます〜！私もお気に入りも回になりました！翔さん素敵です。告白の今回が、私の中の翔さんが一番うまく表現出来た回でした。大人でカッコいい。これからもよろしくお願いいたします！ (2020年2月8日 8時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - あさこさん» あさこ様おはようございます〜！移行先、是非是非遊びに来て下さいね。智さん腹筋！果たしてどうなっていますやら！ご期待下さいませ！ (2020年2月8日 8時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 弥生さん» 弥生様おはようございます。お気持ちわかります。ちょうどDVDやCDを発売日にゲットした時がそうです。まぁ、私の場合、1時間も我慢出来ませんが(笑)。移行先でお待ちいたしております！ (2020年2月8日 8時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» 今日はお休みですか？お仕事ですか？移行しましたよ。出勤前に間に合ってたらいいんだけどなー。楽しんで下さいね！ (2020年2月8日 8時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» kei様おはようございます。喜んで貰えてよかったです。体力がないので買い物にはリュックが欠かせない私。お米買いましたよー。 (2020年2月8日 8時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年1月29日 14時
