9話 ページ15
和也君を私は信じられない思いで見上げた。
私より、少し高い身長の和也君。
今、何も武装してないその表情は柔らかで、ちょっと母性本能をくすぐられるような窺いの眼差しは、いじらしくて。
和也君は言った。
｢俺、Aさんのこと好きだから｣
胸を掴まれた心地だった。
｢･･････やっと言えた〜。あー、すっきりした！｣
和也君は空を見上げて清々しく笑った。
｢今までずっと抑えてたの辛かった〜。いつ嫌われるか、いつ他の奴にかっ攫われるかって、ヒヤヒヤもんだったからね!?｣
同調を求めるように言われても、驚きすぎて言葉が出ない。
本当に？
本当に私のことを･･･････？
｢自分で言うのもなんだけど、本当は子犬気質なのよ。これからは構ってくれなきゃ死んじゃうからね？ そこんとこよろしく｣
｢よ、よろしくって言われても･･････｣
突然過ぎてどうしていいかわからない。
潤君に初恋宣言されて、どうしていいのかわからずに棚置きしてしまっている申し訳ない状況なのに、和也君から直球で告白されて、もうパニックだ。
｢今まで通りでいてよ｣
｢･･････いいの？｣
｢Aさんが苦しむ姿を見るのは本意じゃないから｣
そう言ってくれた和也君は、お風呂上がりみたいな上気した頬でとても幸せそうに微笑んだ。
｢これからは甘え倒すからよろしくね？｣
｢ええっ｣
｢とりあえずやっぱり俺にも服買わせてよ。潤だけなんてずるいじゃん｣
そう言って、手をつないで来た和也君は、どうやら早速甘える気満々で。
｢俺の服も選んでくれる？ お揃いでも全然いいよ？｣
ちょっぴり耳を赤くしながら言う乙女な和也君は、本当に思わず抱きしめたくなるような子犬の可愛さで、胸がキューンとなった。
･･････大野家での居候生活、あと二ヶ月。
私、いったいどうしたらいいの？
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ao(プロフ) - 紀乃子さん» 紀乃子様はじめまして、ようこそお越し下さいました。ありがとうございます。ご自分のペースでご自由にお楽しみ下さいませ。有り難いことです。頑張りますね。 (2020年2月7日 8時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
紀乃子(プロフ) - はじめまして、こんばんは。家族愛溢れる優しいお話に心がほこほこしております。ふんわりとドキドキが絶妙なので続きがとても気になるのですが、一気読みするのが勿体なくこつこつと読み進めております。これからも楽しみに応援させていただきます。 (2020年2月7日 0時) (レス) id: 6962e3b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - →直させて密着させちゃうとこも、服の上からでもばっちりわかるくらい割れてる腹筋も、カッコつけてないのにカッコいい…嗚呼素敵過ぎる！カッコイイが過ぎる！！何色に見えてるのかなーちょっと遠慮しちゃってる感じがなんだか切ない。何度も読み直しました！！ (2020年2月1日 20時) (レス) id: 69364d4dc6 (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - aoさん智くんターンの萌所ありすぎて書ききれない！冷静な火傷の手当ても体温も匂いも感じ取れる距離感でもいつも通りなとこも2人乗りのバランス感覚いいとこも横座りする女乗っけたの！？って思っちゃう発言も好きだわーって言っちゃうとこも離しかけた手を掴まり→ (2020年2月1日 20時) (レス) id: 69364d4dc6 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんおはよー。私もその腹筋触りたい。永遠に触っていたい。幸せだろうなぁ。何があってもそれ触ったら癒されそう。びりけんさんみたいに銅像作ってくれないかな。触りに通うのにー。移行先で待ってるね！ (2020年2月1日 8時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年1月9日 13時
