7話 ページ44
｢･････翔さん、違いますよ｣
｢え？｣
｢何も失ってないから大丈夫です｣
｢･･････失って、ない？｣
私は頷いた。
｢教科書とか、使えなくなったものはたくさんあるけど、どれも失ったって言って落ち込むようなもじゃないから。命があるならそれでいいんです。火事は確かにショックだったけど、怪我したわけじゃないし｣
｢･･････強いんだ？｣
私は首を横に振った。
強くなんかない。全然。
一人で立つ勇気のない、自信なんて一ミリもない情けない人間だ。
でも、本当に火事のことではそんなに落ち込んでない。
･･････きっとそれは、この家のお陰もあると思う。
｢強いっていうのは翔さんみたいな人のことですよ？ ･･････憧れます｣
｢俺？ ･･････あんまり自分じゃ思わないけど、今はそういうことにしとこうかな。 おっしゃる通り強い男です。だから、いつでも頼っていいからね。･･････さっきから、何に落ち込んでるのかわからないけどさ｣
そう言って、にこっと綺麗に笑ってくれた翔さんは、やっぱり強くて頼もしくて、憧れずにはいられない。
･･･････翔さんみたいな人になりたいな。
翔さんは英字新聞を畳むと携帯電話を手に取った。
｢さて、とりあえず電話のアドレス交換だけさせて貰っていい？｣
｢あ、はい｣
私は隣の椅子の上に置いていた自分の電話を机の上に出すと、翔さんと交換させて貰った。
でもこれ、なんのための交換なんだろう。この先翔さんに連絡することがあるとはあまり思えないんだけどな･･････もしも仲良くさせて貰えるなら嬉しいけど。
翔さんは画面を確認すると、素早く操作しながら言った。
｢このアドレスでうちの家族とグループ作っとくから。あとで確認して？｣
｢えっ｣
私が大野家のメールグループに入れてもらえるの!?
どうして!?
恐れ多過ぎる！
すると翔さんは事もなげに言った。
｢今スペアキーが余分にないんだよね。今日新しく作って来るから、それまで、日中にここに帰りたくなったらこのグループトークで誰が家にいるか確認して？ 誰も家にいなかったら、鍵開けて欲しいって言ってくれたら、誰か戻らせるようにするから｣
それを聞いて私は目を見開いた。
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ao(プロフ) - えむさん» えむ様いつも応援ありがとうございます！癒やしと萌はいついかなる時でも重要ですよね！あればあるほど嬉しいもの。大野家のみなさんに是非癒されて下さいね。楽しみながら頑張ってまーす。 (2019年12月19日 21時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - なおさん» なお様こんばんは。もしやタンポポ色のあのお方のご担当？私もかき乱されているので尚更のことと拝察致します。癒やしと萌をお届け出来るように頑張りますね！ありがとうございます！ (2019年12月19日 21時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - aoさん、おはようございます！やっぱりaoさんのお話を読むと暖かくなれます。次回の更新も楽しみに待っています(*´∇｀*) (2019年12月18日 10時) (レス) id: bd8350da83 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - なんだか最近は自担に心をかき乱される事が多いのでaoさんのお話で癒される毎日です。いつも楽しみにしています！ (2019年12月18日 10時) (レス) id: 19cc532da8 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 萌和*さん» 萌和*様おはようございます。萌えにニヤニヤとだらしない顔をして作っている私に、紡ぐ言葉だなんて綺麗な表現を頂戴できて、凄く凄く嬉しいです。マイペースで頑張らせて貰いますね。ありがとうございます〜。 (2019年12月14日 6時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年11月26日 8時
