4話 ページ48
智君は上目遣いで私を見て、言いにくそうに言った。
｢怒んねぇ？｣
｢･･････何言うの？｣
智君は短いため息を着くと、早口で言った。
｢･････今日楽屋で、寝てるそっちにちゅうしたの。多分それじゃね？｣
私は口をぽかんと開けて思わず身を引いた。
智君はごまかすようにンフフって笑ってる。
｢え、私ってその時、猫だった･･････？｣
｢がっつり猫だった。･･････でも、なんか最近のA、愛嬌あって可愛いなぁって思ったら、つい･････｣
･･････つい。
つい、寝ている猫の私にキスしちゃったの？
照れた顔が可愛すぎた。
智君は説明してくれた。
｢あれでしょ？ 初めて喋れるようになった時って、寝てるおいらにチューしたせいだって言ってたじゃん。だから今回変身出来るようになったのもそのせいじゃねぇかなって｣
私は信じられない思いで言った。
｢じゃあ智君のお陰で元の身体に戻れたっていうこと？｣
｢わかんないけど｣
そうだよね、私がわかるわけないのに智君が分かるわけがない。
･･････でも、智君のキスで再び変身できるようになったのなら･･････。
｢ありがとう。 ･･････嬉しい｣
｢でも、それが正解だったら、またキスしたら次もなんか変化が起こって、今度はAがどっか行くようなことになったら困んだけど｣
キュンとした。
私はまた智君に抱き着いた。
智君のまあるい頬にキスをしたら、智君てばびっくりした顔をして自分の頬を押さえ、私の両肩を掴むと、グイッと引き離してきた。
｢え、おいらの話、聞いてなかった!?｣
｢聞いてた｣
｢やべぇわ！ またどっか行ったらどうすんの！｣
構わずもう一度智君の反対側の頬にキスをしたら、智君は目を丸くしてた。
私は胸を幸せでいっぱいにさせながら笑って言った。
｢またどこかに行ったり、人間になれなくなっても、次も智君がキスして戻してくれるんでしょ？｣
ご機嫌の私にたじたじになりながら智君は返事した。
｢･･････やるけどぉ｣
宿題をやりなさいと怒られている子供みたい。
｢じゃあいいね｣
私は智君を押し倒した。
ますます目を丸くする智君を上から見下ろした。
｢智君･･････しよ？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kiki(プロフ) - ao様 おはようございます！2人が笑顔になれて良かった〜〜。問題解決はまだまだですが、展開が楽しみです。夜会！楽しみすぎまーす。どんなトークと笑いと癒しが！寒くなってきましたね、ao様お身体ご自愛下さいね！ (2019年10月30日 10時) (
レス) id: 8817d67ddc (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - 更新ありがとうございます。キュンキュンしながら読んでます。智くんのお家に帰ってこれて良かったです。これからも楽しみに待ってます。 (2019年10月29日 16時) (レス) id: 8bd8760678 (このIDを非表示/違反報告)
萌和*(プロフ) - こんにちは。ただいまー！！と叫んじゃいたくなりました(笑) ようやくもどってこれてワクワクしてますがまだどうなるの！？って気持ちもあるので、次回も楽しみにしております (2019年10月29日 14時) (レス) id: 270b2e26c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - juntea1054さん» juntea1054様こんにちは。お優しい言葉をありがとうございます。たまたま昨日は早速更新休んじゃいましたけど、すぐに次回更新しますので、お楽しみになさって下さいね。ありがとうございます！ (2019年10月29日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちは。ここからまた、溜めて読んでいただいた方がいいかもしれません(笑)。毎回謎を残しながら章が終わって行くのでごめんなさい。でも、ラブもありますからね。最後までお付き合い下さいませ〜。 (2019年10月29日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2019年10月16日 5時
