3話 ページ3
まるでこの二人は私のお父さんとお母さんであるかのように、私に愛しげな眼差しを注いでくれて、必死になってくれている。
私の名前もずっと呼んでくれている。
････････どうやら向こうは私のことがわかっているみたい。
でも、私はこの二人に見覚えはない･･････。
どういうこと？
その後も、私の身体は動かず、目を覚ましたり眠ったりを繰り返し、意識は途切れ途切れだった。夢か現実かわからない時も多かった。
でも目を覚ますたびに｢Aっ！｣と最初に見た女の人が慌てた様子で必死に呼びかけてくれていた。なんとか起きて話しかけてあげたいんだけどどうにも出来なくて、とても歯痒かった。
･･･････しばらくすると、この二人はやっぱり私のお父さんとお母さんなのだとわかった。
自分の記憶にはないけれど、語りかけられる言葉の数々からそれは察することが出来た。
この人達がお父さんとお母さんだということは、･･････私は人間なのだろうか。
でもどうやらこの人達は猫の私のことも知っているの。私を見て、猫の姿にならなくなったなぁって不思議そうに言い合ってるから。
智君と相葉君以外に、私が変身することを知っている人がここにもいたなんて･･････。
智君･･････。
この病室で目が覚めてから、かなりの時間を過ごした気がする。ずっとうつらうつらしているから時間の感覚がないけれど、付き添ってくれているお母さんの姿や衣装で、日が経っていることはわかった。
智君、今頃どうしているだろう･･････。
会いたい････。
会いたいよ、智君･････。
もう私のこと忘れちゃってる･･････？
胸が苦しくて、涙がこぼれた。
ふと目を覚ましたら、暗い部屋に一人でポツンといた。
でも、ここは･･････。
私がいるのは、部屋の隅に設置された猫用のベッドの上だった。
このベッドは、いつか相葉君の家からここに引っ越して来る時、いろんな荷物と一緒に持ってきたものの一つだった。
でも私はいつも智君のベッドで眠っていたからこれは使ったことがなかった。別の部屋に片付けていたはず。
どうしてここに？
私は周囲を見回した。
｢ニャーン･･････｣
ここは智君の家だ･･････。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kiki(プロフ) - ao様 おはようございます！2人が笑顔になれて良かった〜〜。問題解決はまだまだですが、展開が楽しみです。夜会！楽しみすぎまーす。どんなトークと笑いと癒しが！寒くなってきましたね、ao様お身体ご自愛下さいね！ (2019年10月30日 10時) (
レス) id: 8817d67ddc (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - 更新ありがとうございます。キュンキュンしながら読んでます。智くんのお家に帰ってこれて良かったです。これからも楽しみに待ってます。 (2019年10月29日 16時) (レス) id: 8bd8760678 (このIDを非表示/違反報告)
萌和*(プロフ) - こんにちは。ただいまー！！と叫んじゃいたくなりました(笑) ようやくもどってこれてワクワクしてますがまだどうなるの！？って気持ちもあるので、次回も楽しみにしております (2019年10月29日 14時) (レス) id: 270b2e26c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - juntea1054さん» juntea1054様こんにちは。お優しい言葉をありがとうございます。たまたま昨日は早速更新休んじゃいましたけど、すぐに次回更新しますので、お楽しみになさって下さいね。ありがとうございます！ (2019年10月29日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちは。ここからまた、溜めて読んでいただいた方がいいかもしれません(笑)。毎回謎を残しながら章が終わって行くのでごめんなさい。でも、ラブもありますからね。最後までお付き合い下さいませ〜。 (2019年10月29日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2019年10月16日 5時
