68 鏡のような貴女 10/8 ページ30
夏の暑い日。
リビングに置いてあった智君のスマホに、怜香さんからの着信が入った。
その時、智君はアトリエで絵を描いている
最中だった。
私は着信画面を見て、アッと思ったけれど、仕事に出るまでの短い時間、智君が久しぶりに集中出来ているのを知っていたから、呼びに行くのを躊躇った。
多忙な智君の僅かに作れた趣味の時間だったから。
･･････それ以外に他意はない。と、思う。
そのうち切れてしまって、いったい何の用事だったのだろうかと、私は猫の姿で暫くテーブルの上のスマホをじーっと見つめ続けた。
怜香さんからの着信は画面に不在着信として残っていたけれど、智君はその後、怜香さんからの着信に気づかないまま、鞄にスマホを入れて仕事に出掛けて行ってしまった。
･･････着信のこと言いそびれちゃった。ごめんなさい。
後で気づくのかなぁ･････。
気付いた智君はかけ直すのかなぁ･･････。
･･････その時何を話すのかなぁ。
私は一人になって、窓辺で入道雲を暫く見つめていたけど、目を閉じると丸くなった。
それから数日後、土砂降りの雨が降った日の夜、仕事に出ていた智君は意外な人を連れて帰ってきた。
びしょ濡れの怜香さんだった。
髪も服もびっしょびしょ。
私は玄関で、いろんな意味で飛び上がった。
な、な、何があったの!?
｢風呂入ってきた方がいいよ｣
優しい、気遣うような智君の声を聞いて、胸をずきっとさせる私。
怜香さんは、消え入りそうな声でごめんなさい･････と謝った。
でもその場から動かない。
肌の冷たさと一緒で、氷のように固まったまま。
私はぞくっとした。
怜香さんの身に起こったことがとんでもないことのように思えて。
智君は怜香さんの肩に手を回した。
｢風呂行こ。風邪引くから｣
智君のぬくもりが伝わったのか、ようやく小さく頷いた。
智君を見つめるその眼差しは信頼しきっていて、まるでお父さんを前にした子供のようだった。
華奢な肩は智君の手にすっぽり隠れる小ささだった。
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ao(プロフ) - keiさん» kei様こんにちはー。嬉しいことを言ってくれますね〜。私の書いたお話がいいだなんて、幸せをありがとうございます。萌えちゃう。頑張りたいって思っちゃいましたよ〜。ありがとうございます！ (2019年10月8日 14時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんこんにちはー。今回の萌はセクシーランジェリーに囲まれた智君の図です(笑)。癒やされた〜。五人全員ホストにさせるのもありだね!?･･･囲まれてみたい･･･。多分私も召される。いや絶対。 (2019年10月8日 14時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - こんにちは。更新ありがとうございます。aoさんの書いたシェアハウス、読みたいです。5人と一緒のシェアハウスなんて最高！しかもそれがaoさんの書いた作品なら楽しみでしかないです。aoさんの作品、全部大好きなので…気長に待ってますので、よろしくお願いします。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: a6dd3c2537 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoちゃんおはよう〜＾＾元カノのことも心配しちゃう主人公ちゃん優しいねぇ。でも心配にもなっちゃうよね。ってか女性下着にまみれてる智君想像したら笑っちゃったわ♪嵐さんがホストやったら召されちゃうわ♪智君やにのちゃんに甘やかされたーい♪ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 6904188dc6 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ちゅん様こんにちは。癒すことが出来てとても嬉しいです。大満足。今日の更新は萌えと不穏な空気で複雑かもしれませんが、最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします〜。ありがとうございました！ (2019年10月8日 8時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年9月30日 8時
