4話 ページ6
｢･･･････俺がいるでしょ？ 高校生なんて頼りないかもしれないけど、Aさんのこと守るよ。･･････俺、以前あなたに、成長を見届けたいから連絡先教えて欲しいって言われたの嬉しかったんだよね。下心とか一ミリもない感じが久々でさ、この人とは長く付き合って行けるのかなって期待した。･･････恋人に出来ないのが残念だけど｣
私は握ってくれている手をするりと抜いて、今度は私が翔君の手を上から握った。
目をどんぐりみたいに大きくする翔君に笑って言った。
｢最初に受付で翔君に会った時、驚いたなぁ。こんな凛々しい高校生見たことないなって。政治家みたいに堂々としてるし。出会って一秒で尊敬した。今も尊敬してるよ｣
｢それ、遠回しに、彼氏には無理って言ってる？｣
｢ふふ。なりたいなんて思ってないでしょ？ ･･････それに今は智君でいっぱいだから｣
福士さんのことも。考えられない･･･。
ふいに私の手の上に誰かの手が乗った。
誰かの、なんて。
すぐにわかった。
｢智君･･････｣
振り返ったら、智君がゆっくりと身を起こすところだった。
｢･･････いつから起きてたの？｣
鼓動が速くなる。
智君はそれには答えず、三人の重なっている手を見てフッと笑った。
｢円陣みてぇ｣
私も三人の手が重なっているのを見て思わず笑ってしまった。
｢ほんとだ。エイエイオーってやれそうだね｣
｢うちら何を頑張んの？｣
でも翔君だけ笑わなかった。
窺うように智君を見た。
｢ごめん智君。･･････姉さんのこと奪おうとか、そういうよこしまな下心じゃないよ？ これは純粋な下心であって･････｣
純粋な下心？下心なんて今の会話にあったの？ただ励ましてくれてるだけかと思ってた。
智君が吹き出した。
｢余計にタチがわりぃわ｣
｢だよね、すみません。だって姉さん色気ムンムンなんだもん！｣
｢そりゃあ昨日いっぱいやらしいことしたもん。腰が痛くて泳げないくらい｣
智君!?
私が思わず羞恥で引っ込めようとした手を、智君はぎゅっと握って言った。
｢でもこっちは最後のつもりなんてなかった。･･････うちら終わらねぇよ｣
息を飲んだ。
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とも(プロフ) - 感情移入してしまい…離れている間が辛かった（笑）主人公ちゃんは年上を気にし過ぎて想いを言葉にしなくて…智くんも口数が少なすぎて〜ちょっと歯がゆさがありましたが最終的には幸せに慣れてめちゃくちゃ嬉しかったです。 (2020年5月9日 10時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - みるくプリンさん» みるくプリン様こんにちは！評価100に思わずにやけました。嬉しいです〜。私自信が欲する萌えで、みるくプリン様も萌えてもらえて、幸せです。頑張りますね！ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします！ (2019年9月28日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - にーにーさん» にーにー様こんにちは！同エピにびっくりしています。さぞや心細かったことでしょう。大変でしたね。作風気に入って下さってありがとうございます。嬉しいです。ロスを少しでも癒せれば幸せです。今後ともよろしくお願いいたします。私も冬のにおい聞き返してみます。 (2019年9月28日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - 完結お疲れ様です！最後の方は、何度も泣きながら、じっくり読ませて頂きました。主人公ちゃんや智君はもちろん、翔くん達も素敵すぎて、もう大好きです！(突然の告白)これからも頑張って下さいね！あー☆評価100くらい入れたい位好きです、ホントに。 (2019年9月28日 3時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
にーにー(プロフ) - 初めまして！素敵な作品をありがとうございました！もう智君ロスです…私も以前 彼が留学してる間に空き巣に入られた事があり 同エピにビックリ！最後までお話に引き込まれました。aoさんの作風とっても好きです！彼らの曲 冬のニオイの雰囲気がぴったりに感じました！ (2019年9月26日 3時) (レス) id: 46fd7f8dbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年9月2日 22時
