7話 ページ47
辺りはだんだん薄暗くなり始めていた。
｢Aさん｣
｢はい｣
｢頑張れよ。･･････しなやかで、強いのが持ち味だから。上手く、長く泳いでいって。･･････期待してる｣
あ、涙出そう。
｢･････はい｣
｢･･････唾つけて置いておきたいけど、もうちょっと我慢するから。だから･････頑張って？｣
｢はい･･････？｣
意味がわからないと首を傾げたら、クスッと笑って去って行った福士さん。
つばつけてって、まさか、ねぇ･･････？
福士さんが去って行ったら、波打際で、智君達五人の姿を見つけた。
相変わらず彼らの回りは賑やかで、女の子もたくさんいる。
人気者具合に感心して、思わず笑みがこぼれた。
でも、智君が一人の女の子と後ろの方に下がっていくのが見えて、ドキッとした。
長い髪の、華やかな顔立ちの可愛い子だった。
見ないほうがいいと思いつつ、目で追ってしまう。
二人は砂浜から離れて行き、やがてシルエットだけになった。
太陽が沈むと、花火が綺麗に輝き出すと同時に、みんなの表情が隠れ出す。
明るい笑い声がよく響いていた･･････。
｢さぁ。そろそろお開きにしよう！ 帰り道はスタッフが最寄りまで送っていくから、掃除が終わったら、向かう場所別に集合して｣
福士さんの言葉で後片付けが始まった。
みんな、せっかく知り合ったメンバーとの別れを惜しみ、声を掛け合いながら片付けていた。名残惜しいとそれぞれの顔に書いてあるのを見て、イベントは成功したんだと実感した。
達成感に溢れた私だったけれど、目立つ櫻井君達のグループの中にまだ智君の姿がないことに気づいて、さっき二人が歩いて行った方向に目を向けた。
･････最初は暗闇で何も見えなかった。けれど、ちょうど道路を走ってきた車のライトに、一瞬だけ二人の姿が映し出された。
私は息を飲んだ。
重なる二つの姿。
智君は彼女を抱きしめていたのだ。
｢･･････なんだ、いるんじゃない。彼女｣
そうぽつりと呟いたら、自分自身の言葉なのに思い切り傷ついた。
彼女、いたんだ･･････。
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ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちはー。ご趣味が一緒で喜んでおります！そうなんです、あの可憐さなのに、中身男前なのが、たまりません。移行したのでそちらも楽しんでくださいね〜。ありがとうございました！ (2019年9月8日 7時) (
レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
mizuna(プロフ) - aoさんこんにちは〜、まさかのすっぽかしで内心ヒヤヒヤしながら青春も感じる甘酸っぱさに身悶えて読んでます(笑)若い頃の彼は儚さと危うさが入り混じっていていいですよね、かと思えば男臭かったり･･･ｗ今作すごく好きです！移行先も楽しみにしてます♪ (2019年9月7日 10時) (レス) id: a740177e2c (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんおはよう！高校生の智君、楽しんでね〜。残暑厳しいから、体調にも気をつけてね！新連載頑張るねー。 (2019年9月6日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ねいまーるさん» いえいえ、おきになさらず。私のお話なんて誤字だらけです。これからもよろしくお願い致します！ (2019年9月6日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoちゃーん♪バタバタしていてやっと読めたよ♪なんかめっちゃ青春だね〜♪ドキドキきゅんきゅんするわ＾＾また更新楽しみにしているね♪ (2019年9月5日 13時) (レス) id: 6904188dc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年8月24日 21時
