3話 ページ32
｢もしもし？ ･･････智君？｣
『うん』
柔らかな返事だ。
私は自然と微笑んでいた。
｢ごめんね。最初は私からかけるべきだったのに｣
『･･････どうして？』
｢それは･･････電話番号をねだった立場だし｣
『ンフフ。ねだったって。･･････おいら求められてんの？』
｢えっ｣
『冗談だよ。･･････あいつらがなんかいろいろ言ったんでしょ？ だから･････なんでしょ？』
優しい落ち着いた喋り方だったけど、少し切なく響いて、私は電話を持つ手を強くした。
｢智君、あのね？｣
『でもよかった。･･････自分からかけるべきとか言うから。そっち社会人だからとか言って、電話代の心配されんのかと思ってびびった』
｢あぁ、そっか！ それもあったね。･･････でも私も社会人って言っても、お給料全然高くないし、そもそもまだ二回しか貰ってないし･･････頼りにならないよ？ ･･････なんかごめんね。年上だから期待してた？ 遊ぼうなんて誘っといてこれじゃあ･･････。あ、そう言えば明日お給料日だ｣
･･････私ってばペラペラ喋りすぎた？
『あ、･･････こっちもだ』
｢え？ 智君バイトしてるの？｣
『うん』
｢何してるの？｣
『･･････んふふ』
･･････まさか、言えないバイトなの？
心配になりかけたら、智君が言った。
『じゃあ今度遊びに連れてく』
｢･･････智君が？ 私を？｣
『今のルールで言ったら、電話番号聞いた方が最初にかけないといけないんだったら、遊ぶのも誘った方が払うってことになんでしょ？』
｢え、じゃ、じゃあ私が誘い直すよ！ ･･････今度どこか一緒に行かない？｣
『･････誘ってんのこっち。･･････どこ行きたい？』
甘い言い方に胸がドキッとした。
智君、色っぽいね？
でもそれじゃあ智君が払うことになっちゃう。払わせないけど。
･････社会人と高校生ってこういう問題が出て来るんだなぁ。
そんなことを考えていたら、智君が閃いたみたいに言った。
『じゃあ俺んちね』
｢え？ ･･････えーっ!?｣
『ンフフフ。じゃあ気をつけて帰ってよ』
切れた通話。
私はいろいろと考えが追いつかず、しばらくその場に立ち尽くした。
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ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちはー。ご趣味が一緒で喜んでおります！そうなんです、あの可憐さなのに、中身男前なのが、たまりません。移行したのでそちらも楽しんでくださいね〜。ありがとうございました！ (2019年9月8日 7時) (
レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
mizuna(プロフ) - aoさんこんにちは〜、まさかのすっぽかしで内心ヒヤヒヤしながら青春も感じる甘酸っぱさに身悶えて読んでます(笑)若い頃の彼は儚さと危うさが入り混じっていていいですよね、かと思えば男臭かったり･･･ｗ今作すごく好きです！移行先も楽しみにしてます♪ (2019年9月7日 10時) (レス) id: a740177e2c (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんおはよう！高校生の智君、楽しんでね〜。残暑厳しいから、体調にも気をつけてね！新連載頑張るねー。 (2019年9月6日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ねいまーるさん» いえいえ、おきになさらず。私のお話なんて誤字だらけです。これからもよろしくお願い致します！ (2019年9月6日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoちゃーん♪バタバタしていてやっと読めたよ♪なんかめっちゃ青春だね〜♪ドキドキきゅんきゅんするわ＾＾また更新楽しみにしているね♪ (2019年9月5日 13時) (レス) id: 6904188dc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年8月24日 21時
