6話 ページ28
ふと、昨日智君に右肩を掴まれた時の感触がよみがえった。
ネズミに怯えながら海の家に戻る私の肩を、男らしい力で引き、すり抜けて、先に入って行ったその背中はとても頼もしかった。
･･････あの時の御礼、ということでもいいんだろうか。
そもそも本当に私を気に入ったのかわからないし、私が楽しませられるのかもわからない。
まだ昨日会ったばかりの子で、自分の身近にいない、高校生の男の子だ。･････何も知らない。
相葉君がひょこっと私を覗き込んできた。
｢お姉さん、彼氏いる？｣
黒目の多い純粋な瞳。
嘘なんてつけなくて。
｢･･････いないよ｣
｢やったぁ！｣
相葉君が万歳すると、みんなもハイタッチして喜んでた。
･････もう決定事項のようだった。
｢･･････何してんの？｣
声がかかって振り返ると、智君がそこにいた。
智君は一人だった。
黒いハーフパンツに、羽織った半袖の青色のシャツ。中には眩しい白のＴシャツ。
いたって普通の格好なのに、彼を見て緊張してしまうのはなぜ？
智君と目があった。
瞬間、ふわっと柔らかく笑ってくれたその笑顔にキュンと来た。
可愛い笑顔は相変わらずだ。
｢おあよ。･･････帽子、被ったんだ｣
｢うん。 ･･････おはよう智君｣
智君はくすぐったそうに笑ってて、とてもキュートだった。
私は急にわけがわからなくなった。頭の中がこんがらかる。
｢ほ、ほら、掃除掃除！ みんなも戻ってよ。先に行ってるからね｣
私は逃げ出すようにその場を離れた。
････なんだろう、いたたまれないや。
智君の話をみんなから聞いて、やたらと意識してしまう自分が恥ずかしい。
｢待って｣
智君の声がかかって、盛大に心臓がドキッとした。
追いついて、私の隣に並んだ智君。
あれ？智君って私より背が高かった？････同じくらいな気がしていたのに。
少し視線をあげないといけなかった。その綺麗な顔を見るためには。
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ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちはー。ご趣味が一緒で喜んでおります！そうなんです、あの可憐さなのに、中身男前なのが、たまりません。移行したのでそちらも楽しんでくださいね〜。ありがとうございました！ (2019年9月8日 7時) (
レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
mizuna(プロフ) - aoさんこんにちは〜、まさかのすっぽかしで内心ヒヤヒヤしながら青春も感じる甘酸っぱさに身悶えて読んでます(笑)若い頃の彼は儚さと危うさが入り混じっていていいですよね、かと思えば男臭かったり･･･ｗ今作すごく好きです！移行先も楽しみにしてます♪ (2019年9月7日 10時) (レス) id: a740177e2c (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんおはよう！高校生の智君、楽しんでね〜。残暑厳しいから、体調にも気をつけてね！新連載頑張るねー。 (2019年9月6日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ねいまーるさん» いえいえ、おきになさらず。私のお話なんて誤字だらけです。これからもよろしくお願い致します！ (2019年9月6日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoちゃーん♪バタバタしていてやっと読めたよ♪なんかめっちゃ青春だね〜♪ドキドキきゅんきゅんするわ＾＾また更新楽しみにしているね♪ (2019年9月5日 13時) (レス) id: 6904188dc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年8月24日 21時
