2話 ページ24
30分もした頃、声がかかった。
見上げると、相葉君だった。
｢おはよう、相葉君。ご苦労様｣
首にかけたタオルで汗を拭きながら言ったら、お日様のよく似合う笑顔で微笑まれた。
｢おっはよー、お姉さん！｣
カーキのハーフパンツにレンガ色のポロシャツがとてもよく似合ってた。背が高くて手足が長いからモデルみたい。
相葉君はニコニコ笑って言った。
｢ねぇねぇ、面白いもの見に行かない？｣
｢えっ。･････仕事中だよ？｣
相葉君はボランティアだけど。
相葉君は更に笑みを深くして、私の手首を掴んだ。
覆われると私の手首が見えなくなった。
大きな手にびっくりする。
高校生ってもうこんなに男の人だったんだっけ？
｢見て損はさせないからっ｣
｢ちょっと！｣
ごみ袋片手に相葉君に引っ張られて走り出す。
汗をかいた首筋に、向かう風が涼しかった。
100メートル程走って、着いたのは近くの海の家。
そこにはあの三人がいて、裏手を覗き込んでいた。
櫻井君、松本君、二宮君。
裏に何があるの？
相葉君に静かにするように言われて黙ったら、今度はジェスチャーで、二宮君の背中に触ってって合図された。
裏手の様子を集中して見守っている二宮君の背中。まだこちらには気付いていない。
驚かすの？
いいのかな？
でも相葉君の笑顔があんまりにも満面の笑みで、ちょっとそれを楽しそうに思ってしまった私は、ついノってしまった。
トントンと肩を叩く。
｢うるせぇな｣
振り向かれもせず払われてしまった。
次に、相葉君が耳に吹き込んできたことをそのまま二宮君の耳に吹き込む。
｢･････かず君。何してるの？｣
｢･･････え？｣
振り返ったのは覗き込んでいた三人一緒だった。
そして三人一緒に目を見開いた。
二宮君が、私を指差して言った。
｢え、(えーーーーっ！)｣
二宮君が叫ぶのを、気付いた松本君が寸前で、手で口を塞いで止めさせていた。
驚いている三人と、お腹を抱えて声を殺している相葉君。
みんなびっくりして尻餅までついてるし。
･･････そこまで驚かなくても。なんか傷つくんですけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 506人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちはー。ご趣味が一緒で喜んでおります！そうなんです、あの可憐さなのに、中身男前なのが、たまりません。移行したのでそちらも楽しんでくださいね〜。ありがとうございました！ (2019年9月8日 7時) (
レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
mizuna(プロフ) - aoさんこんにちは〜、まさかのすっぽかしで内心ヒヤヒヤしながら青春も感じる甘酸っぱさに身悶えて読んでます(笑)若い頃の彼は儚さと危うさが入り混じっていていいですよね、かと思えば男臭かったり･･･ｗ今作すごく好きです！移行先も楽しみにしてます♪ (2019年9月7日 10時) (レス) id: a740177e2c (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんおはよう！高校生の智君、楽しんでね〜。残暑厳しいから、体調にも気をつけてね！新連載頑張るねー。 (2019年9月6日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ねいまーるさん» いえいえ、おきになさらず。私のお話なんて誤字だらけです。これからもよろしくお願い致します！ (2019年9月6日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoちゃーん♪バタバタしていてやっと読めたよ♪なんかめっちゃ青春だね〜♪ドキドキきゅんきゅんするわ＾＾また更新楽しみにしているね♪ (2019年9月5日 13時) (レス) id: 6904188dc6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2019年8月24日 21時
