6話 ページ45
こんなの嫌なわけないのに。私の顔を見ればわかるでしょ？
首を横に振っちゃったから、もう、離れてって言えなくなっちゃった。
せめてもの抵抗にと俯いていたら、私の前髪を鼻先で器用に避けて、額にキスのプレゼントをしてくれた。
顔を上げたら、それを待っていたかのように両腕で抱きしめられた。
いつもより少し高い智君の体温。
内緒話をするように囁かれた。
｢A、していい？｣
ドクッと大きく鼓動が高鳴った。
顔が熱くなって、体の芯に何かが灯る。
｢すげぇやりたい･･････｣
熱のこもった智君の吐息。
珍しく積極的なその言葉に私は膝から崩れそうになった。
でも、凄くドキドキしてるけど、優しい気持ちが湧いてきて、手をあげると智君の後ろ髪をそっと撫でてあげた。
｢どうしたの･･････？｣
｢なんか、わかんないけど。ここにAがいんのが嬉しいの。 ･･････それに、さっき階段上がってる時、おいら後ろにいたじゃん？｣
智君の手がお尻に触れてきて、アッと思った。
もしかして、見えちゃってた!?
｢なんか･･････やべぇの。すっげぇやりたい｣
そんなことを言われて、智君のことを大好きな私が断れるわけがなかった。
｢いいよ･･････？｣
｢いい？｣
｢うん｣
ベッドに優しく寝かせられて。まくれあがった裾を直そうとしたら、目を見つめながらその手を止められた。
｢好きだよ｣
短いけれど、圧倒的なその言葉に涙が出そうになる。
｢智君、私も大好きだよ｣
｢フフ。･････うん｣
智君が育った家でするキスは、いつも以上にドキドキして、どこか･･････神聖だった。
私達は普通のカップルみたいに交われなくて、智君には不自由させてるなって申し訳ないんだけど、それでも智君は私に触れたがってくれるから、この瞬間、その最中、自分が価値のあるものに思えてずっと幸せだった。
まだ陽は高かったけれど、私達は私達なりのやり方で、肌を重ね、気持ちを伝えあった。
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ao(プロフ) - keiさん» kei様はじめまして。ようこそお越し下さいました。数日中に移行出来ると思うので、待っててくださいね。私も書きながら癒されてます。コメントのおかげでまた頑張れそうです。ありがとうございました。 (2019年9月7日 9時) (
レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoさん、はじめまして。素敵なお話をありがとうございます。このお話のねこちゃんと大野さんに癒されて、ドキドキして、何回も読み返してます。更新を楽しみにまっています。 (2019年9月3日 17時) (レス) id: a6dd3c2537 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちはー！本当に彼は魔性ですね･･･。魅力の塊です。酔わされちゃいますね。でも翔君もほんと凄い人で。あらためて、奇跡の五人に感動中です。 (2019年9月3日 6時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
mizuna(プロフ) - こんにちは〜久しぶりの更新に読む前からドキドキしてました（笑）aoさんと同じ様に本来なら私も翔くんタイプに恋する人間なので共感から笑っちゃいました、反対に智くんがそれを凌駕する魅力的な人って事でもあるので大野智は魔性ですね(笑)次回も楽しみにしてます！ (2019年9月2日 15時) (レス) id: a740177e2c (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - blue3104さん» blue3104様こんにちはー！私は皆さんのコメントに癒しをいただいています。夏の終わりは疲れが出がちですから、どうぞご自愛くださいませ。お話読んで、癒されてくださいませ。 (2019年8月30日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年8月10日 9時
