51 桜色の頬の君へ ページ31
｢最近あんま人間になんないね？｣
思い出したように言う大野君の言葉に思わずドキッとして固まった。
まだ桜が綺麗に咲き誇っている夜。
仕事から帰ってきた大野君の鞄から新しい釣り雑誌が覗いているのを見つけて、喜んで前足で一生懸命引っ張り出していた時の一言。
私が固まったら、大野君は雑誌を取り出して私の前に広げて置いてくれた。
｢読みたいんでしょ？｣
そ、それはそうなんだけど。
･･････気まずくなって、読みにくいというか。
毎夜、人間には変身してるんだよ？朝方猫に戻ってて、疲れて熟睡してる大野君はそれに気づいていないだけなの。
前は日中でも好んで人間の姿でいたりしてたんだけど、大野君に告白してしまって以来、喋られる人間の姿で大野君に会うのが恥ずかしくて、猫でいる時間が増えている。
だって、猫だと顔色とか表情とか見せずに済むから、いろいろごまかせて助かるんだもん。
私の告白を、また人間になった時に聞かせてって言ってくれた。･･････キスもしてくれた。とってもドキドキしたの。嬉しかったなぁ･････。
けれど大野君はあれ以来、何もなかったみたいに過ごしてる。私が逃げて、猫でばかり過ごしているうちにそういう気持ちがなくなっちゃったんだろうか。･････それは困る。
｢人間になった方が読みやすくねぇ？｣
私はそれ以上突っ込まれたくなくて、本を閉じて窓際に移動した。
大野君は深追いせずにお風呂に入りに行っちゃって、それはそれで寂しいというか。
だからお風呂場のドアの前で出てくるのを待ってみた。
しばらくして出てきた上半身裸の大野君は私を見て、おっ！と驚き、すぐにフフっと笑った。
｢猫みたいな奴｣
みたいじゃなくて、猫ですけど。
｢離れてったと思ったら待たれてるとか｣
大野君は私を両手で抱き上げて、顔の前に持ち上げた。
｢可愛すぎねぇ？｣
そう言って、おでことおでこを擦り合わせた。
とろけそうな笑顔に惚けていたら、ほかほかの裸の胸に抱いてくれて、キッチンに連れていかれた。
｢水飲む？｣
｢ニャーン｣
床に置いてくれたいつもの綺麗なお皿。
大野君は冷蔵庫からお水のペットボトルを取り出すと、私をちらりと見てからキャップを開けて唇をつけた。
私も同じタイミングでお水を飲んだ。
･･････こんな何気ない日常が宝物だから、壊したくない。
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ao(プロフ) - 萌和*さん» 萌和＊様おはようございます。ニノちゃん押しだったんですね。彼は現実でも妄想でもほんといい仕事しますからねー。うんうん、わかります。楽しんでいただけるといいなぁ〜。 (2019年8月10日 9時) (
レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様おはようございまーす！雄叫びありがとうございます。うふふ。ラブラブなのはほんと心の栄養ですよねー。活力お届けできるよう頑張りますので今後ともよろしくお願いします！ (2019年8月10日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃん月末なんだね!? うちわ結局ウインクと投げチューとありがとの三種とりあえず作ることにしたよ。ほんと楽しいね！次は二宮君ちだよー。楽しんでね〜。 (2019年8月10日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
萌和*(プロフ) - こんばんは！わーーー二宮さん家！ついに！にやにやが止まらない二宮くん推しです← 二宮さんが出てくるとは思ってなかったのでドキドキです〜次回も楽しみにしてます♪ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 270b2e26c0 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ao様 ギァー\(//∇//)\ 2人のやり取りが可愛い過ぎて、ニヤニヤですよ！それに二宮さんまで絡みだして、ワクワク、ドキドキが止まりません（≧∇≦）これからの活力になる事間違いなしでございます。ありがとうございます！ (2019年8月9日 17時) (レス) id: 5bf90ac6c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年7月14日 9時
