はむっ ページ31
｢天気いーね｣
眩しそうに薄い水色の青空を見上げる大野さん。綺麗な手で光を遮る姿は写真に収めたくなるくらい決まってる。
｢今日、気温上がるみたいですよ｣
｢マジかぁ｣
｢もう夏がすぐそこですもんね｣
｢半袖にしときゃ良かったかな｣
｢私、カーディガン脱いだら半袖です｣
｢ずりー｣
何気ない会話も楽しくて、ずっとコロコロと胸の中で可愛い鈴の音が鳴っているような心地だった。
私が行きたかったお店に着いて、二人でそれぞれ違うメニューを頼んだ。
大きな口で、ハムッとピーナッツトーストを食べる大野さん。かぶりつく時に眉間に寄せる皺が面白い。
｢うめぇ｣
それは、きっと作った人が聞いたら、思わず笑顔になって握手を求めに来てしまうんじゃないかと思うような気持ちのこもった言い方で、あぁ、ここを選んで良かったなぁって私まで幸せな気持ちにさせてくれた。
大野さんの作法は、堅苦しくないのにちゃんとしていて、綺麗で見惚れる。
私も気をつけなきゃって思ったそばから、ぼとっとトーストの上に乗ってた具とソースをお皿の上に落としちゃって、格好悪いってちょっと恥ずかしく思っていたら、大野さんが自分のトーストの端でそれをひょいっと拭って食べた。
｢あっちゃー、美味い｣
コミカルな言い方に私が吹き出して笑ったら、大野さんは満足そうに優しい目で微笑んで、珈琲カップを品のいい指で持って飲んだ。
普段、大野さんが人のものを自分から貰って食べてる姿は見たことがない。だから人が落としたソースに手をつけるとかも、珍しいことのように思えた。
わかってたことだけど、大野さんはやっぱり優しい人だね。
お腹いっぱいになった私たちは、今度、目当ての鞄を買いにデパートに向かった。
道中、尋ねた。
｢大野さんの行きたいところはどこかないんですか？｣
｢･････ねぇよ？｣
｢食べたいものとか｣
｢さっき食ったやん｣
あ、そっか。
恥ずかしくて俯いたら、肩を慰めるみたいに叩かれた。
｢昼飯早く食べさしてやっから｣
｢ちがっ、私が食べたいんじゃなくて！ 私ばっかり嬉しいから大野さんも嬉しくなって欲しくて言ったんです｣
勢い込んで言ったら、クククって笑われた。
｢んなのわかってるし。･････おもしれぇ｣
からかったの？
そんな気はしてたけど。
でも、からかわれたのが嬉しいって、私もどれだけ大野さんのこと好きなんだろう。
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ao(プロフ) - cocoroさん» cocoro様、わお！素敵なコメントありがとう〜！嬉しいです！やる気出ましたよー！まだしばらくは頑張れそうだから今後もお楽しみに！よろしくお願いいたします！ (2019年5月3日 9時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんありがとう〜。動じなくって一言の重みがある。そうなんですよね〜、そこに惚れてるのです。こちらこそいつもありがとう！励みになってるよ。次も萌えられるよう頑張るね！ (2019年5月3日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様、恐れ多い最高の褒め言葉をありがとうございます。拙い文章で、まだまだ切磋琢磨が必要ですが、自信になります。ありがとうございます！私の理想と一緒で良かったです！これからもよろしくお願いします。 (2019年5月3日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様いつもありがとうございます！かっこいいのとゆるふわ、そうです、それが書きたくて。うふふ。令和も楽しみながら作って、自身も皆さんも癒せるといいなって思います。これからもよろしくお願いします！ (2019年5月3日 8時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
cocoro(プロフ) - aoさ〜ん。もう「aoさんの大野さん」のない生活は考えられないよ。令和もよろしくです。aoさんが書き続ける限りずっと読者してます。 (2019年5月2日 21時) (レス) id: 8d2a7d356c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年4月18日 13時
