31 それ待って ページ31
｢でも、どうして西田さん達追いかけて来てたんだろう･････｣
私は鞄から電話を出した。
｢かけて聞いてみましょうか｣
電話を見たら、西田さんからの着信履歴がいくつもあって驚いた。
隣で大野さんが苦いような声を出した。
｢あー････。それ待って。電話しなくてもいいよ｣
｢･･････大野さん、わかるんですか？｣
わかりたくないけど、わかるって顔で大野さんは吐息した。
｢俺のせいだから｣
｢大野さんのせい･･････？｣
でもやっぱり大野さんは言い出しにくいみたいで困ってた。言葉が続かないから。
私は少しだけ待って、いいですよって言った。
｢言いたくなかったら言わなくても大丈夫です｣
大野さんは目を見張った。
｢･･････気にならねぇの？｣
私は思い出して思わず吹き出した。
端から見ればさっきの光景は凄い騒動に見えていたに違いない。お姉様方が一斉に追いかけて来る構図はなかなか見れないものだと思う。
｢びっくりしましたけど。大野さんが言いたくないことを無理に聞いても少しも嬉しくないからいいです。大野さんには笑っていて欲しいので｣
大野さんは私の言葉を聞いて、軽く目を見張った後、満足そうに笑った。
｢すげぇ。おいら甘やかされてんね｣
私の気持ち、もうばれちゃった？
･･････なんだか、もうばれてもいいような気がしてきた。
開き直るとかじゃないけど、失恋が実はまだ失恋じゃなかったって聞いて、気が大きくなってるのかも。
あれだけまわりのみんなに失恋したと思われてるのに、今更失恋してなかったとか、恥ずかしくて言えない。だったら、いっそ気持ちを告白して、本当に失恋した方が嘘がなくていい気もする。
･･････失恋したくないけど。
腹をくくった私は大野さんに告白すべく向き直った。
｢大野さん。･････あのね？｣
｢待って。こっちの話、先に聞いて？｣
何の話？
頷いたけど、悲しい話じゃないといいなって思った。
少し緊張する。
夜の中にあっても、大野さんの瞳は美しかった。濁りのない透明度のある黒目が星を映して光っていた。
｢俺、彼女いないよ。･･････でも好きな子はいて｣
ズキッと胸が痛んだ。
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ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様こんにちは。萌えていただけて良かったですー。あの手で引っ張られたら、どこにだって行きますよね!? また遊びにきてくださいねー。お待ちしています！ (2019年4月10日 9時) (
レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 蜂須賀さん» 蜂須賀様こんにちは！最高の褒め言葉をありがとうございます！全部、私が意識して心掛けている事柄をどんぴしゃで褒めていただいて、最高に嬉しいです。毎日更新と話数、重要ですよね!?まぁ無理な時もありますが(笑)。今後もよろしくお願いします。 (2019年4月10日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» kei様こんにちは。私もリーマン智君大好物ですー。服装は設定してませんので、スーツでもカジュアルでも、ご想像くださいね。また遊びにきてくださいねー。待ってます！ (2019年4月10日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ひつじー(プロフ) - 萌えてます〜ドキドキしてます〜手！あの手で私も引っ張られたいです！！(^ω^) (2019年4月10日 4時) (レス) id: 38fc399fe7 (このIDを非表示/違反報告)
蜂須賀(プロフ) - はじめまして。毎朝ムズキュンさせてもらってます。話も好きだし、毎日更新かつ話数も多く、今一番好きな作者さんです！これからも楽しみにしています (^^) (2019年4月9日 17時) (レス) id: 3645ec60b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年4月5日 6時
