2 秘密の相談 ページ10
楽屋にお邪魔させて貰うようになって一週間。
この前楽屋を騒がせるきっかけになった、大野君が主演を務める映画というのは、確かに濡れ場はあるけど命を削るような大ハードアクションがメインで、監督も、アイドルは使わないと豪語していた賞レース常連の有名監督が、大野君に惚れ込んで出演を依頼してきたという大作の予感のするもの。
メンバーは濡れ場に難色を示していたんだけれど、代表作になる可能性は十分あるとマネージャー達に説得されて、みんな渋々納得していた。
映画自体は半年前に決まってて、台本が届いたのが一週間前だったそう。
｢お、包帯とれてるじゃーん｣
相葉君が用意してくれた猫用のベッドでうたた寝していたら、やってきた松本君が私を覗き込み、ご機嫌な様子で歌うように言った。
｢良かったなぁ、おまえ｣
でも寝ていると思った私と目があった瞬間、松本君は固まった。
すーっと、最大限のナチュラルさで視線を反らし、何もなかった風に離れた席に行ってしまった。
でもそれは、私が嫌いなんじゃなくて、むしろ好きでいてくれる結果だった。
ドラマの撮影中の彼が私に引っ掻かれることを恐れているのは確かなんだけど、でも松本君は、動物に好かれない自分が近寄ることで、私を無駄に不快にさせてしまうことも懸念していて。
優しいジェントルマンなの。
ハットを脱いで椅子に座ったその背中が、がっかりしていて可哀相になった。
でもそんな松本君に、ぼさぼさの髪でだるそうに楽屋に入ってきた二宮君がいち早く気がついた。
二宮君は、いつもの定位置のソファではなく松本君の隣にドサッと座って机に突っ伏した。
振り返る松本君。
二宮君は俯せたままちらりと松本君を見上げて、可愛い顔でにこっと笑った。
｢おはよ、ジェイ｣
｢お？ ･････おはよ｣
二宮君のいい笑顔に釣られるように笑った松本君。
たったそれだけのことだったけど、その場の雰囲気が柔らかくなった。二宮君は自分の使い方、見せ方をよく心得てる。
良かった。元気出たみたい。
二宮君も、それで役目は終わりとばかりにいつものゲームをし始めた。
そのあと、気をよくした松本君がゲームのことを二宮君に尋ねていたけど、思わぬ温度でぺらぺら自慢げに喋られて、結局戸惑ってフェードアウトしていく松本君の姿は、猫だけど笑ってしまうくらい面白かった。
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ao(プロフ) - えべすさん» えべす様こんにちは。お越し下さってありがとうございます。頑張りますので、また是非遊びに来て下さいね。 (2019年5月26日 21時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
えべす - ワクワクドキドキしながら読んでます！これからも楽しみにしてます。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 0ca7106291 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - くますけさん» くますけ様いらっしゃいませ。私も自分で作って自分で読んで癒されて充電しています。お力になれて嬉しいです！私はくますけ様のコメントが力になりました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。 (2019年3月25日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
くますけ - ao様こんにちは！この作品とっても好きです！VS嵐や嵐にしやがれがない週も、こちらで充電させていただいてます！ (2019年3月23日 14時) (レス) id: d22e81891d (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kamiさん» kami様こんにちは。癒しになれているとのこと、すごく嬉しいです。猫ちゃんにあまーい大野さん。まだ何作か書き溜めてあるんで、しばらくコンスタントにお届けできると思います。今後もよろしくお願いいたします。 (2019年3月22日 13時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年3月13日 9時
