7話 ページ24
おーちゃんの友達の山ちゃんがやって来た。
山ちゃんは私たちの前に座ると、改まった顔をして切り出した。
｢陶芸科じゃないじゃん｣
おーちゃんはくすぐったそうに笑って、ごめんって謝った。私もその隣でぺこりと頭を下げた。
｢彼女、だよね？｣
尋ねられて、なんて答えていいのかわからずおーちゃんの方をちらりと見たら、うんって頷いてくれてて、胸がキュンとした。
｢食堂の女の子に手ぇ出してたの？｣
食堂の女の子･･････。
相手が私じゃやっぱり見栄えが悪いのかなって小さくなりかけたら、山ちゃんはおーちゃんの手を握って、感動した顔つきになると、やったな！ってしきりに握手をしていた。
｢すげぇなぁ大野！ やっぱおまえ最高だよ。見る目ある、見る目あるよ！ これからもずっと友達でいてくれよ!?｣
｢フハハハッ。･････やだ｣
｢えー!?｣
おかしな二人のやり取りを笑いながら見ていたら、何人かの学生が近寄ってきた。
｢大野、この子誰？｣
すると山ちゃんが私達のことを説明してくれて、その場に驚きが起こる。
それが繰り返されて、どんどん学生のみんなに付き合っていることが広まっていって、私はハラハラしたけれど、おーちゃんがずっとご機嫌に笑ってるから、それを見ていたら私もだんだん落ち着いて来た。
おーちゃんは最初、私が彼女だってばれることを嫌煙していた。そのせいで私が傷つくのが嫌だったからだ。でももう、私も明日でここに来るのは終わりだし、おーちゃんもあと二週間で卒業だから、ばれてもいいやって考えたんだと思う。
私は束の間の学生気分を味わえて凄く嬉しかった。
いつもカウンターの中から見ていた景色が目の前に広がっていて、まるで夢を見ているような気分だった。
･･････ずっと、少し羨ましかったの。私とそう年齢の変わらない学生のみんながカウンターの外で青春を謳歌している姿が。でも仕方ないって諦めてたのに･･････。
おーちゃんとみんなのお陰で夢が一つ叶った。
時間にしたら20分ほどの休憩時間を終えてカウンターの中に戻った私は、仕事を終えると一人一人に御礼を言って回った。
本当に有り難くて。
いつか私もこんなふうに誰かを見送ってあげたいと思った。して貰ったことは返していきたい。
あと一日。
頑張ろう。
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ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちは。主人公ちゃんいい子なんで、たまに黒くしよう黒くしようとしてるんですが、なかなか染まってくれません。恋人が素敵だからでしょうか。私も青色さんに綺麗な色にしてもらいたいです！ (2019年2月26日 16時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - もちろん、こちらも拝読致しております！主人公ちゃんの清く芯のある人柄が凄く素敵ですねー！こちらも見習う事が多々ありまーす。感謝の気持ちって、ホント大事ですよね。 (2019年2月25日 18時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - わー、cocoro様コメント嬉しいです。お元気でしたか。何度も読み返したくなるようなお話を頑張って作るので、是非遊びに来てくださいね。一緒に楽しみましょう！萌えてくださーい。 (2019年2月25日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
cocoro(プロフ) - aoさん、お久しぶりです。またこの子達に会えて嬉しいです。私はこれからも、いやもしかしたらこれまで以上にここに糖分補給に立ち寄るであろうと思われます(笑)。また一緒に楽しませてください。 (2019年2月24日 20時) (レス) id: 8d2a7d356c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2019年2月19日 20時
