63話 ページ38
･･････私は今まで、自分の気持ちを伝えたら、もうそばにはいられないと思ってきた。ニノには水谷さんがいるから受け入れられるわけもなくて、フラれたら苦しさ故に離れるしかないって思ってきた。
でも今、それって私が我慢すればいいだけのことのように思えた。告白して、ふられても、その痛みに耐えて友達のままいることは可能なんじゃないかな。私が平気な顔をする自信がなかっただけ。
なくしかけた今なら、どんな形でも、ニノのそばにいたいって思える。恋人じゃなくても、友達としてニノを見続けていられれば十分な気がする。
え？ でも待って？
それなら、そもそも告白する必要もなくなるわけで。ん？
私は自分の考えがまとまらなくなって、首を傾げた。
｢何をまた悩み出してんの？｣
あきれたニノの声。
｢言ったでしょ？ 素直なのが取り柄なんだから。それなくしたら三味線しか残んないんだから溜め込むのやめなさいって。直感で生きてきた女がさ、今更グルグル悩んでどうすんの。････ここのところずっとそうじゃん。父親が嫌ならお兄ちゃんに言ってみなさいよ｣
皮肉混じりだけど優しさがいっぱいのその言葉を聞いて、似たことを言っていたおばあちゃんの言葉も思い出した。
迷ったら直感だよって。流されないで自分で選ぶんだよ。その方が後悔がないからねって･･･････。
私は覚悟を決めた。
直感で、私はニノに言うしかないって思えた。
後のことを引き受ける度胸がなかった自分にはもうさよならだ。
覚悟を決めて、私はベッドから降りてニノの前に正座した。
お、何よ？怖いんだけど？っておどけながらもちゃんと聞こうとしてくれてるニノに、私はこれまでの感謝を感じながら、一生懸命気持ちを伝えた。
｢ニノ。･･･････好きなの｣
ニノが固まった。
それはそうだ。父親が娘から告白されたら固まるしかない。
｢そうだよね、驚くよね、びっくりするよね。いいんだよ、盛大にびっくりして貰って。･････気持ち悪かったらごめん。でも、血は繋がってないから、告白を許して貰えると助かるんだけど･･････｣
緊張で、膝に置いた手汗が酷かった。
ニノはまだ口をポカンと開けている。
｢水谷さんがいるのも分かってる。でもどうしても言いたくなって･･････｣
胸が苦しい。
心臓が口から飛び出そう。
気分も悪くなってきた。
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ao(プロフ) - kikiさん» kiki様、キュンとして貰えて良かったです〜。今日の更新もしてもらえるといいな。次回最終回です。お楽しみに！いつもありがとうございます！コメント貰えてとっても幸せです！ (2019年2月20日 8時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ありがとうございます。ニノがやっとホントの笑顔になれましたね！最高に可愛い言葉選びにキュンとします！ (2019年2月19日 22時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様、おはようございます！さてさて、今日の更新もにやける一日のスタートにしてもらえるといいんですけど。私は更新前からにやけています。今から更新作業します。待ってて下さいねー。 (2019年2月19日 8時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - さとあすさん» さとあす様、待って下さってありがとうございました。お話を載せる準備は出来ていたのですが、気持ちが追いつかず。でも次第に妄想は今までの以上に溢れ出して。妄想が自分を引き上げると感じました。ありがとうございます。青さんのいいのあるんで、待ってて下さいね！ (2019年2月19日 8時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - おはようございます！朝から切なく、もどかしさからのにやける１日のスタートになりました！ (2019年2月18日 9時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年2月12日 13時
