幼なじみ(green) ページ34
どうして幼なじみになんて生まれてしまったんだろう。
幼なじみなんて、彼にとって身内と一緒。愛用の枕と同じ。
そこに居て当たり前で、大事にしてくれるけど、異性なんて感じてない。故に私と恋になんて発展するわけがない。
気づいた時からずーっと雅紀に恋してる。
でも雅紀が恋をするのはいつも私じゃなかった。
失恋した雅紀を慰めるのももう飽きた。
でも、雅紀なんて好きじゃなくなりたいのに、どうやっても諦められない。
恋をやめるにはどうしたらいいんだろう･･･････。
｢A、今日は遅くない？｣
一番星が輝く夜空を見上げながら歩いていたら、後ろから声をかけられた。
この声は。
どきっとして振り返ったら、隣の家に住む幼なじみの雅紀がいた。
高校に入ってもうすぐ２年。雅紀の身長はグングン伸びている。その長い手足は邪魔にならないんだろうかと、中学で何もかも成長が止まってしまった身としては何だか気になる。
｢図書館に寄ってたの｣
｢冬だし暗くなるの早いから気をつけなよ？ あれ？マフラーどうしたの？｣
私のスカスカした首元を見て心配そうに眉を潜めた。
見つめられた首が熱を持つ。
｢･･････学校に忘れたの｣
｢忘れ物するなんて珍しい！ どうしたの？｣
言いながら自分の首に巻いていた深緑のマフラーを、そうするのが当たり前のように私の首に巻いてくれる。
私は暗いのに助けられたと思った。明るかったら、顔が赤くなってるのがばれてしまうところだった。
｢雅紀は？｣
｢俺が暑がりなの知ってるだろ｣
｢時と場合によるでしょ。風邪引きやすいくせに｣
私が睨むと、照れ臭そうに笑って首をすくめた。
｢Aには敵わないや｣
敵わないって言ってるのに嬉しそうに笑ってるから、それを見た私は気恥ずかしくなって俯いた。
三学期が始まったばかりの、シンと冷たい家路への夜道。
この道が愛しくて、切なくて。
何度雅紀と一緒にこの道を歩いてきただろう。
でも何度一緒に歩いても、私達の進む道は交わらない。
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ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様こんにちは！私の書く女の子好きって言ってもらえて嬉しいです！主人公に共感できるのって、重要ですよね？また次も頑張りますね。ありがとうございます。 (2019年1月21日 6時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちはー！読み返して下さるなんて嬉しい限りです。次回で最終回です。またキュンキュンしてもらえると嬉しいです！ (2019年1月21日 6時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今年もaoさんのお話しが読めて幸せです。aoさんの主人公ちゃんは皆んな優しくて可愛らしくて大好きです。続きが楽しみ〜。 (2019年1月19日 12時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ドキドキにしかもキュンしちゃいます。何度も読み直してニヤニヤしております！ (2019年1月19日 8時) (レス) id: 183b1f4fcb (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - なるちゃんさん» なるちゃん様、ありがとうございますー！優しい男の子を書くと心が洗われる心地です。頑張ります！ (2019年1月19日 6時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月6日 9時
