17話 ページ28
｢･･････どうして潤君が謝るの？｣
｢先週、一人で帰したから｣
｢そんなのいいのに。友達がピンチだったんでしょう？ 仕方ないよ｣
｢でもあの日は･･･････｣
ゆっくり顔を上げた潤君。
相変わらず強い眼差し。でも今日はそこにやるせなさがあって、頼りなく揺れていた。思わず手を伸ばして抱きしめてあげたくなった。
大丈夫だよって言って。私があなたを守るからって。
私はその時気づいた。
･･･････ああ、これが愛しいという気持ちなんだ。
潤君は苦しそうに言葉を続けた。
｢先週、Aに言いたいことがあったんだ。それ言うために、俺らに近づくなよってあらかじめ周りを押さえてたのに、横槍が入って、正直へこんだ。待ってて貰おうと思ったのにおまえあっさり帰っちまうし。･････自信なくしたよ。でも諦めるなんて出来なかった｣
そこで言葉を切って、潤君は目を見開く私にまっすぐ言ってくれた。
｢好きだよ。･･････おまえが好きだ。俺だけの女になって欲しい｣
｢潤君･･････！｣
信じられない気持ちで潤君を見た。
この、完璧でレベルの高い人が私を好き？
冗談だとしか思えない。いい雰囲気かもって何度も思ったことはあったけれど、実際に想いを聞いたら信じられない気持ちでいっぱいだった。
｢･････返事は？ 今すぐ聞きたい。待つとかぜってー無理だし。俺発狂する。言ったろ？ずっとピリピリしてたって。今週のうちの厨房、備品無駄に破損しまくった｣
｢潤君｣
｢イエスしか受け付けない｣
｢潤君｣
｢頷くだけでも許してやる｣
｢潤君！｣
｢･･･････ふられたら、俺すげぇみっともねぇこと言いそう｣
｢潤君･･･････｣
肩を落とした潤君は、獅子のように雄々しかったのが、子猫のように見えた。
｢潤君、私ね？｣
｢待った！ ･･････さっきの男だけはやめた方がいい｣
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ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様こんにちは！私の書く女の子好きって言ってもらえて嬉しいです！主人公に共感できるのって、重要ですよね？また次も頑張りますね。ありがとうございます。 (2019年1月21日 6時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちはー！読み返して下さるなんて嬉しい限りです。次回で最終回です。またキュンキュンしてもらえると嬉しいです！ (2019年1月21日 6時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今年もaoさんのお話しが読めて幸せです。aoさんの主人公ちゃんは皆んな優しくて可愛らしくて大好きです。続きが楽しみ〜。 (2019年1月19日 12時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ドキドキにしかもキュンしちゃいます。何度も読み直してニヤニヤしております！ (2019年1月19日 8時) (レス) id: 183b1f4fcb (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - なるちゃんさん» なるちゃん様、ありがとうございますー！優しい男の子を書くと心が洗われる心地です。頑張ります！ (2019年1月19日 6時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月6日 9時
