16話 ページ27
一方美女は、いつのまにかサングラスを外して大野さんをびっくり眼で凝視していた。
私はアッと思った。
その美女は、テレビでも見たことのある女優さんだった。
でも大野さんは最初からわかっていたみたいで全然驚いてなかった。
｢うちのメンバーと何回か仕事してたよね。奥にいるよ？ 一緒に来る？｣
｢はいっ！｣
悩み事はどこに行ったんだろうというぐらい元気に返事を返すその女優さんを見て一安心した。
自分の悩みより大野さんのグループと顔見知りになれる方が彼女にとっては重要そうだ。
大野さんは女優さんを連れて去って行った。
潤君と目があった。
咄嗟に、怒られる気がして身を竦めた。
｢おこんねーよ｣
ぶっきらぼうに言って、でも言いたいことが山ほどある顔で私を店の個室に連れて行った。
皮張りのコーナーソファと低いテーブルが備わったシックな部屋。カーテンを開けると都会の喧騒が見える。
潤君はカウンターでとってきた二人分の飲み物をテーブルに置くと、目線で、座ってって言ってきた。
すごいな。
目で語れる男の人ってそうはいないよ？
私の斜め向かいに座った潤君。足が長いからテーブルにつきそうだった。
ようやく潤君と二人きりになれた。
私は胸の中がくすぐったい気持ちになって、はにかんだ。
いつも、どこでも、人気者の潤君は人に囲まれていたから。これまで二人きりで話すことは少なくて。個室に入ったのも初めて。
でもすぐに落ち込んでしまう。
･･････私、先週電話で怒鳴っちゃったし、今日も何故か、潤君をずっと怒らせちゃってるし。
人の女って大野さんに言ってくれたけど、あれはナンパから助けるために言ってくれただけなのかもしれないし･････。
リサさんの言葉も引っ掛かっていた。
星の数ほど潤君のことを好きな人はいて、星の数ほど抱いてきたって･････本当なの？
真実味がありすぎる。
でもとにかく怒らせてるなら謝らないとって思った時、潤君がいらついた溜息を短く吐き出したから、びくっとなった。
でも、潤君は潔く頭を下げてきた。
｢ごめん！｣
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ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様こんにちは！私の書く女の子好きって言ってもらえて嬉しいです！主人公に共感できるのって、重要ですよね？また次も頑張りますね。ありがとうございます。 (2019年1月21日 6時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちはー！読み返して下さるなんて嬉しい限りです。次回で最終回です。またキュンキュンしてもらえると嬉しいです！ (2019年1月21日 6時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今年もaoさんのお話しが読めて幸せです。aoさんの主人公ちゃんは皆んな優しくて可愛らしくて大好きです。続きが楽しみ〜。 (2019年1月19日 12時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ドキドキにしかもキュンしちゃいます。何度も読み直してニヤニヤしております！ (2019年1月19日 8時) (レス) id: 183b1f4fcb (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - なるちゃんさん» なるちゃん様、ありがとうございますー！優しい男の子を書くと心が洗われる心地です。頑張ります！ (2019年1月19日 6時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月6日 9時
