14話 ページ25
でも背後には国民的アイドルがいる。騒ぎには出来ない。
私は潤君に何とか静まって貰おうとした。
｢潤君。私が悪かったら全部謝るし、これからは潤君の言う通りにするから。だから怒らないで？お願い｣
言いながら、拳を固めている潤君の手首に触れて、そっと握った。気持ちを落ち着けて欲しくて。
すると、私が触れた瞬間、ビクッと身体を奮わせて、ぴたりと口を閉じた潤君。
急に機能停止したみたいになって驚いたけど、静かになってくれたからほっとした。
私は背後の大野さんを振り返った。
｢ごめんなさい。こんなところをお見せしてしまって。ご迷惑がかかるからもう行って下さい｣
丁寧に言ってるけど、心は｢逃げてー！｣って気持ちで言ってるのに、大野さんは感心したように潤君を見てた。
｢すごいベタボレだね？｣
｢･････お恥ずかしいです｣
｢いや、Aちゃんじゃなくて、この凄いイケメンが。Aちゃん、こいつにマジ惚れされちゃってんね？ ･･････こんなのに捕まるくらいなら、おいらの方がマシだったかもよ？ 今からでもおいら本気になったげようか？｣
｢え？｣
癒される可愛い笑顔で、なんだか大変なことを言っていて、意味を理解するのに時間がかかった。
すると、ぐいっと腕を後ろに引っ張られた。
背中が潤君の胸に当たった。見上げると、怖い顔をした潤君が大野さんを睨みつけていた。
｢人の女に何言ってんだよ。あんた誰だ？｣
瞬間、こんな状況なのに私の胸は歓喜に湧いた。
今、人の女って、潤君言ってくれた？
一方潤君は帽子の男性が誰かわかったみたいで息を飲んでいた。
｢あんた･･･････｣
その時だった。
先週、潤君をさらって行った美女がまた現れた。
｢潤。･･････この間はありがとう。この前の御礼がしたいんだけど･･････｣
言いながらちらりと私を見た。
どきっとした。その目が先週とは違う、敵に対する瞳の色に変わっていたから。
この人、潤君に惚れちゃってる！
この前の悩み相談で全部もっていかれちゃった感じ？
私はサーッと青ざめた。
こんな美女が相手だったら私、敵わないんじゃあ･･････。
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ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様こんにちは！私の書く女の子好きって言ってもらえて嬉しいです！主人公に共感できるのって、重要ですよね？また次も頑張りますね。ありがとうございます。 (2019年1月21日 6時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちはー！読み返して下さるなんて嬉しい限りです。次回で最終回です。またキュンキュンしてもらえると嬉しいです！ (2019年1月21日 6時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今年もaoさんのお話しが読めて幸せです。aoさんの主人公ちゃんは皆んな優しくて可愛らしくて大好きです。続きが楽しみ〜。 (2019年1月19日 12時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ドキドキにしかもキュンしちゃいます。何度も読み直してニヤニヤしております！ (2019年1月19日 8時) (レス) id: 183b1f4fcb (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - なるちゃんさん» なるちゃん様、ありがとうございますー！優しい男の子を書くと心が洗われる心地です。頑張ります！ (2019年1月19日 6時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月6日 9時
