5話 ページ16
びっくりしていたら、凄く楽しそうに松本さんが笑い出した。
｢いきなりはあれだから、友達からで｣
胸ポケットから名刺を取り出すと、さらさらと万年筆で何かを書き付けて私に差し出して来た。
｢俺にアクセスするためのありとあらゆる番号｣
見れば、いろんな英数記号が羅列してある。
｢そっちが教えてもいいと思えるアドレスで送ってきて。誰か分かるように、タイトルはショコラで｣
･･････松本さん、スマートだ。
･･････手慣れてる？
それはそうか。これだけの美丈夫なんだから、引く手数多、出会いも星の数に違いない。きっと私とは場数が違う。
･････そう考えたら、がっかりしたような、安心したような。
松本さんの言うお友達からの付き合いというのは、最後までお友達のままの可能性は高そうだ。
私はアドレスを有り難く受けとった。
･･････赤面症のせいで気を遣わせてしまって申し訳なかったな。
社交辞令みたいなものだよね？
｢なくさないようにします｣
｢うん。そうして？ それ全部教えてある人間はほとんどいないから｣
｢え･･････｣
にこりと笑う松本さん。
本当に？
夢みたいな話で、どこを信じればいいのかわからない。
松本さんとはその後、本当に友達付き合いが始まった。
でも予約半年待ちの一流店のオーナーシェフである松本さんは物凄く忙しい人で、友達付き合いと言ってもいつでも会えるわけではなく、限られた時間だけ。
月曜日が定休日の松本さん。でも松本さんはその月曜日も契約農家に足を運んだり、市場調査に出かけたりして忙しくしてる。
見た目に反して、凄く真面目でストイックな人だった。
そんな松本さんが時間をやり繰りして私に会う時間を作ってくれるのは、本当に有り難くて。
期待してもいいの･･････？
私が松本さんを好きになるのに時間はかからなかった。最初から意識してしまっていたから、これだけよくして貰ったら、恋に発展するのはあっという間のことだった。
っていうか、誰だって松本さんには惚れてしまうだろう。
かっこよさも、無邪気さも、真面目さも、色気も全部兼ね揃えてる。
私になんてレベルが高すぎる相手だって思うけど、松本さんがレベルダウンして下りて来てくれるから、欲が湧いてしまうの。もしかしたら恋人になれるのかなって･･････。
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ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様こんにちは！私の書く女の子好きって言ってもらえて嬉しいです！主人公に共感できるのって、重要ですよね？また次も頑張りますね。ありがとうございます。 (2019年1月21日 6時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちはー！読み返して下さるなんて嬉しい限りです。次回で最終回です。またキュンキュンしてもらえると嬉しいです！ (2019年1月21日 6時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今年もaoさんのお話しが読めて幸せです。aoさんの主人公ちゃんは皆んな優しくて可愛らしくて大好きです。続きが楽しみ〜。 (2019年1月19日 12時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ドキドキにしかもキュンしちゃいます。何度も読み直してニヤニヤしております！ (2019年1月19日 8時) (レス) id: 183b1f4fcb (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - なるちゃんさん» なるちゃん様、ありがとうございますー！優しい男の子を書くと心が洗われる心地です。頑張ります！ (2019年1月19日 6時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月6日 9時
