46 姉妹 12/14 ページ46
｢これ？ 隣の家の姉妹。こっちの姉貴はうちらと同じ高校だよ｣
｢そうなの？ じゃあ智君の幼なじみなんだね｣
｢･･････姉貴が二人いるみてぇにうるさいけど｣
｢智君の小さい時を知ってる子かぁ。羨ましいな。･･････ずっと一緒に育つってどんな感じ？｣
｢･････意識したことねぇよ。兄弟と一緒みたいなもん。そんなことより、Aちゃんの昔の写真の方が興味ある｣
｢私？｣
興味を持ってもらえたのは嬉しいけれど。
｢今まで引っ越した都道府県は八つあるんだけど、どこの写真も全部近所の公園とか学校で撮ってるから見た感じ一緒なの。どうせならそれぞれの観光名所で撮れば良かったねって今になって家族で後悔してるの｣
｢それでもAちゃんは成長してんでしょ？｣
｢うん｣
｢十分見る価値あるよね？｣
･･････智君の言葉は魔法の言葉だ。
お陰で滅多に見返さない家のアルバムを見てみたくなった。
｢じゃあ･･････また今度うちに来てね。その時に見せるから｣
｢おぅ｣
あっ！っと思い立ってまだ左側にいた智君を振り返った。
｢私ね？中学と高校で合計四回転校したから、家にそれぞれの制服も置いてあって、冬服と夏服合わせたら凄い数で、それも良かったら見て･･････｣
勢い込んで喋ってたんだけど、思いのほか智君が近かったから尻すぼみになった。
距離に照れて私がそっと視線を外した時、智君が動いた。
肩に智君の手がかかった。
どきっとして、一瞬躊躇ってから顔を上げたら、眩しいように目を細めた智君がそこにいて、私を見ていた。
息がしにくくなった。
でも胸に溢れるのは智君への想いで、近づいて来る智君を避けようとか微塵も思わなかった。ただ、智君の綺麗な瞳に映れるだけの魅力が自分にあるのかが不安で、つい直前で俯いちゃったら、智君の唇がおでこに触れた。
｢あ･･････｣
おでこを押さえて顔を上げたら、智君が笑ってた。
｢顔真っ赤｣
からかわれて、頬を膨らませた。
｢だって｣
｢･･･････やだった？｣
キスのことだよね？私が俯いたから避けたように見えた？
私が安心できるように笑ってくれているんだけど、ちょっと寂しそうで、私は急いで首を横に振った。
｢いやじゃないよ、全然。緊張して｣
｢うん。･････んふふ｣
｢フフ｣
二人の間にくすぐったい空気が流れた。
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ao(プロフ) - あっちゃんさん» あっちゃん様、ご感想ありがとうございます。本当に見ているだけで、ほぅーっとなっちゃいます。口がポカーンと開いちゃって。美人さん過ぎます。あっちゃん様もご自愛なさってくださいね。頑張ります！ (2018年12月13日 9時) (
レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - はじめまして。いつもありがとうございます。ほんとに寒いですよね。成瀬期の彼はもう見ているだけで心も体も癒されます。なにかと世話しなくなる時期ですがお体を大切に、素敵なお話をお待ちしております。 (2018年12月12日 9時) (レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月1日 16時
