45 狭い？ ページ45
それにしてもなかなか座らない智君。
｢智君？｣
本棚の前に立っている智君の背中に呼びかけたら、後ろ襟を触りながらため息をついて、観念したように私の斜め前にあぐらをかいて言った。
｢この部屋こんな狭かったっけ｣
｢えっ!? ･･････私邪魔っぽい？｣
｢や、そうじゃねーよ？ ･･････なんか存在感がすげぇの｣
｢ええっ!? 私偉そう!?｣
正座してたけど、さらに膝を合わせて縮こまってみる。
｢そうじゃなくて、･････俺が意識しすぎてるだけ。･･････ごめん｣
ごめんの声がかっこよくて、智君がうなだれてるのに私はドキドキが止まらなかった。
私の方こそ謝らなくちゃって、ごめんって謝ったら、二人で目を合わせて、一瞬後に笑い合った。
それからは、智君の作った作品を見せて貰ったり昔の卒業アルバムを見せて貰ったりして楽しい一時を過ごした。
でも、お母さんが貼って毎年ページを増やしてくれているというおうちのアルバムを見ていたら、一人の女の子がよく一緒に写っているのに気がついた。
｢智君、この女の子は？ 智君のお姉さんはこっちだよね？｣
私はこの家の前で撮っている、四人で写っている写真を指差した。
二つ上のお姉さんと、小学生くらいの智君。同い歳くらいの可愛い女の子と、三輪車に乗っている三歳くらいの女の子。
ルアーを磨いていた智君が、どれ？って言いながら覗き込んできた。
近付いた瞬間ふわっと香った優しい石鹸みたいな香りにときめいた。
床に着いた智君の腕と、アルバムを持つ私の腕が触れている。
智君、近い･･････。
あたたかな体温が伝わって来そうな程だ。
でも意識しているのは私だけだと思うから、一生懸命平静を装った。
｢どれ？｣
｢こ、これ｣
声が上擦っちゃった。
｢こいつ？｣
｢うん｣
私の左側にいる智君は、後ろから身を乗り出して覗き込んでるんだけど、肩の後ろからだから智君の方がどんな表情をしているのかわからない。
多分私の耳は真っ赤だと思う。
･････あんまりそばで喋らないで。
心臓が壊れちゃいそうだから。
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ao(プロフ) - あっちゃんさん» あっちゃん様、ご感想ありがとうございます。本当に見ているだけで、ほぅーっとなっちゃいます。口がポカーンと開いちゃって。美人さん過ぎます。あっちゃん様もご自愛なさってくださいね。頑張ります！ (2018年12月13日 9時) (
レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - はじめまして。いつもありがとうございます。ほんとに寒いですよね。成瀬期の彼はもう見ているだけで心も体も癒されます。なにかと世話しなくなる時期ですがお体を大切に、素敵なお話をお待ちしております。 (2018年12月12日 9時) (レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月1日 16時
