41 人気者 ページ41
ごめんと思いながら、相変わらずこっちを呆然とした顔で見ている吉永さんから離れるにはどうしたらいいのか思案していたら、智君が先に立って歩き始めたから、慌てて後を着いて行った。
｢またね｣
吉永さんはまだ呆然としていた。
｢智君って人気者だよね？｣
｢･･････小栗とか岡田の方が人気あると思うぜ｣
｢小栗君･･････は、凄いね｣
小栗君は凄くやることがスマートなイケメンで、私と同じクラス。いつも女の子がハートマークの目になって見つめている。小栗君が何か発言するたびに溜息がこぼれ、フゥーって囃し立てる声が上がる。本人はちっとも照れてないのがまた凄い。
その小栗君は岡田君同様に智君の友達だった。イケメンがイケメンを呼ぶって感じ？
智君は謙虚だから、あの二人はすげぇっていつも言うけど、智君だって凄いよ？これまで一緒に歩いているとよく感じていた人々の視線は、智君へのものだったんだってようやく分かったから。
一緒に帰る時は、駅の裏の公園のベンチで喋るのが私たちの決まったコースだった。
でもそろそろ秋も半ばだから少しずつ寒くなってきている。
｢･･････小栗君に、私たちのこと言った？｣
｢･･････このこと？｣
言って揺らしたのは二人が繋いだ手。
綺麗な指が私の手を包んでくれている。
私はちょっと赤くなって頷いた。
｢言ってはないけど、なんか一人でにやつきながら喋ってたな｣
｢やっぱり。･･････きっと分かってるよね？ 近頃よく、智君が今日登校してるか私に聞いて来るし。面白がってる顔して｣
私がそう言うと、智君はその様子が想像できたのかふふっと笑った。
｢小栗、自分に女が切れたことがないもんだからずっと俺にも作れ作れうるさかったの。だから多分気づくの早かったんだと思う｣
｢智君、ほんとーに今まで彼女いなかったの？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 714人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - あっちゃんさん» あっちゃん様、ご感想ありがとうございます。本当に見ているだけで、ほぅーっとなっちゃいます。口がポカーンと開いちゃって。美人さん過ぎます。あっちゃん様もご自愛なさってくださいね。頑張ります！ (2018年12月13日 9時) (
レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - はじめまして。いつもありがとうございます。ほんとに寒いですよね。成瀬期の彼はもう見ているだけで心も体も癒されます。なにかと世話しなくなる時期ですがお体を大切に、素敵なお話をお待ちしております。 (2018年12月12日 9時) (レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2018年12月1日 16時
