38 友達 ページ38
それからこの二人は移動授業に一緒に行こうとか、クラスで個別にチームを作る際に私を誘ってくれるようになって、お昼は必ず一緒に食べるようになった。
ある日一緒に、放課後にケーキを食べに行かないかって誘われて、何故か怖くなった私は二人に言った。
｢私、またいつ転校するかわからないの。よくして貰っても、骨折り損になるかもしれない･･････｣
二人と長くは友達関係を続けていられない。
そう言ったら、二人は目を合わせて呆れたように言った。
｢そりゃ長く友達でいられればいいけど、別に自分の将来のために一緒にいるわけじゃないよ？それに骨折り損って、苦労してるわけじゃないし。そんな難しく考えないでいいんじゃない？｣
そう言ったのは麻紀ちゃんで、ルイちゃんは冷めた目で｢真面目だったの？ 言っとくけど、私真面目過ぎるの苦手だから｣ってきっぱり言って、更に｢頼むわよ？｣と付け加えてきた。
二人の反応に、肩の力が抜けて、私は暫くぼーっとしてしまった。
安心したのもある。許された心地で。でも、二人のことがこのことで大事になってしまいそうで、それが怖かった。友達はドライな間柄でいいって思ってきたから。大事になってしまったら、別れるときに辛いから･･････。
それは智君のことも一緒だった。
恋なんて、今までまともにしてきたことがなかったから、私が転校したらどうなってしまうのかわからない。
そのことを考えると凄く怖いけど、先のことを考えすぎてもどうにもならないことも、わかっているから･･････。
｢ケーキ、一緒に食べに行っていい？｣
照れながら言ったら、もちろんって返ってきて、怖いけど、凄く幸せな瞬間に、ちょっと目の奥が熱くなった。
智君との仲は順調に深まっていった。
大きな学校だし、校舎内で偶然出会えることはほとんどなかったけれど、週に一回の美術部に顔を出せば一緒に帰れるし、部のないときもたまに一緒に駅まで帰ったり、夜は電話かメールをほぼ毎日送り合ったりして、付き合い始めてから平和に一ヶ月が過ぎた。
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ao(プロフ) - あっちゃんさん» あっちゃん様、ご感想ありがとうございます。本当に見ているだけで、ほぅーっとなっちゃいます。口がポカーンと開いちゃって。美人さん過ぎます。あっちゃん様もご自愛なさってくださいね。頑張ります！ (2018年12月13日 9時) (
レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - はじめまして。いつもありがとうございます。ほんとに寒いですよね。成瀬期の彼はもう見ているだけで心も体も癒されます。なにかと世話しなくなる時期ですがお体を大切に、素敵なお話をお待ちしております。 (2018年12月12日 9時) (レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月1日 16時
