24 ぼうず ページ24
｢･･････下手だって言いたいんでしょ？分かってるよ｣
｢俺、そういうの粘土で作ったことあるよ｣
｢･･････それ、慰めてる？｣
無言なのは肯定の証だ。
･････よく考えたら智君みたいに絵の上手い人に披露する画力じゃなかった。
私の神経おかしいのかな。
･････っていうか浮かれてる？
だって、デートみたいなんだもん。男の子と二人で出掛けるの初めてだし。そりゃ意識するし、変な行動もとっちゃうよ。
手帳を鞄にしまおうとしたら、智君が貸してって言って、私から手帳とペンを受け取って、私の描いたぼうずの横に、同じデザインの雄っぽいぼうずを書き込んだ。
｢うまっ｣
同じデザインのはずなのに、智君が描くと途端にプロっぽくなる。そういうアニメのキャラが本当にいるのかと思ってしまうほど。タッチが違う。
｢これ、夫婦ね｣
｢あー･････うん。一匹だとアレだったけど、二匹になったらおさまりが良くなった｣
｢Aちゃんのこのキャラ気に入ったし。ちょっとシュールでいい｣
｢シュール･････。いや、キャラじゃないから。ぼうずって魚だからね？ え？ぼうずは魚じゃないの？｣
｢おもしれぇなぁ、Aちゃん｣
結局クスクス笑うばっかりでぼうずの真相は教えてくれずじまいだった。
･･････ぼうずっていうのが、魚が一匹も釣れずに０匹だったことを言うって知ったのは帰り道のことだった。
ふと気づいたら、さっき駅にいた女の子達が同じ車両に乗っていて、車両の反対の隅からこちらを見ているのに気づいた。
すごくこちらを意識しているのがわかる。
もう一度智君に言おうか迷って･･････やめた。あんまりいい視線じゃなかったから。
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ao(プロフ) - あっちゃんさん» あっちゃん様、ご感想ありがとうございます。本当に見ているだけで、ほぅーっとなっちゃいます。口がポカーンと開いちゃって。美人さん過ぎます。あっちゃん様もご自愛なさってくださいね。頑張ります！ (2018年12月13日 9時) (
レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - はじめまして。いつもありがとうございます。ほんとに寒いですよね。成瀬期の彼はもう見ているだけで心も体も癒されます。なにかと世話しなくなる時期ですがお体を大切に、素敵なお話をお待ちしております。 (2018年12月12日 9時) (レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月1日 16時
